NO.11  一利を興すは一害を除くにしかず、一事を生かすは一事を減らすにしかず

世界史上最大の帝国であったモンゴル帝国(蒙古帝国)は成浩思汗チンギス・ハン(ジンギスカン)が開きました。版図はモンゴルから中国(元王朝)、南ロシア、イランまで及び、ユーラシア大陸で残ったのは西欧とインドのみ。インドもその後、モンゴル帝国の流れを汲むムガール帝国となりました。ムガールの語源はモンゴルです。

耶律楚材(ヤリツソザイ)は二七歳でチンギス・ハンの宰相となり、三十余年、モンゴル帝国の群臣を仕切って「一利を興すは一害を除くにしかず、一事を生かすは一事を減らすにしかず」という言葉を残しました。
功名心にかられて何か新しいことをしようとするより、今ある弊害の一つでも減らす方がどれだけ素晴らしい効果をあげるかわかりません。
また、未知の新しいことを手がけるより、今ある雑事を省くことの方が大切だということです。

私のサイトの掲示板で、少子化問題の以下の投稿がありました。
>私はこの調査地である出雲市に住んでいます。
>この不況下ではお金や手間のかかる子育ては益々、敬遠されるでしょう。
>我が家でも、苦労して大学を出したものの就職がないという厳しい状況に直面しました。
>
>昔なら放っておいても子どもが育ったのですが、今は、保護者も大変です。
>PTA活動、子ども会活動、スポーツ少年団、神社の祭りなど、土日もなく子どもにつきあわなければなりません。


なぜでしょうね。
昔より子供の数が減って大人一人あたりが世話する子供の数が減っているのに大人一人あたりの手間が増えている。
でも、PTA活動もスポーツ少年団もたぶん子供が大人に企画依頼したものじゃない。
大人が企画したものでしょう。
大人が余計なことをやりすぎているんでしょう。
それがわかっていながら、いやいや大人も参加している。

全ての組織は時間とともに肥大する。
組織は発展して仕事が次々と増えて成長しなければならない、
という無言の前提が、はるか昔から存在しています。

PTAやスポーツ少年団は会費をとる。
とるからには何かしないといけない。
そのうち専任者がでてくる。
専任者は会費を家計収入とします。
専任者はその会費をたくさん徴収したいために仕事をしているふりをしなければならない。
こんだけたくさんやってますよ、と見せなければならない。
すると次々と企画がイベントが生まれる。
会員みんなが巻き込まれていく。
労働組合が肥大化するのも、訳のわからない協議会や財団、官僚組織が肥大化するのも同じ理屈です。

組織をリセットして無駄なことをやめましょう。
子供には治安の良い広場や野山があればそれで済むはず。
子供達は自分で遊べます。

 

オリの中のめすゴリラは子供を産まない。

動物園のめすゴリラは生殖意欲をなくすそうです。息苦しさがそうさせるのか。

今の日本の少子化がそのものズバリ。息苦しいんですよ。




姉妹ホームページ