曹操陣営には多々の軍師がいます。荀ケ文若(じゅんいく)、荀攸公達じゅんゆう)、郭嘉奉孝(かくか)、賈く文和(かく)、程いく(ていいく)、、。 そのなかでも荀ケは最古参で、「蒼天航路」では荀ケが子供の頃から曹操に仕えています。 吉川三国志では、曹操の軍師である荀ケは曹操が王の座に就く事に反対し、曹操の反感を買います。曹操から空の器を贈られ、「もはや私に上げるものはない、用は無いということか」と嘆いて自殺してしまいます。 これが「蒼天航路」(そうてんこうろ)ではどう記述されるか楽しみでした。なんたって曹操は主人公で悪者ではない世界ですから。
蒼天航路では、曹操の魏王就任の話が出る前に、曹操と荀ケが雪合戦をします。曹操がトリックを使って雪玉を荀ケにぶつけようとしますが、荀ケは見破って避けます。 そして荀ケは「智謀を尽くして私に雪玉をぶつけるのは、またの機会にしましょう」と言って立ち去ります。 その後、荀ケは病気になります。そして曹操の魏王就任の話が沸いてくると、「私は漢朝の家来か、曹操の家来か」と心痛します。 曹操は荀ケが病気であることを知って「自分に何か出来ることはないのか」と胸を痛めます。 荀ケはそのまま病気と心痛で死んで、曹操は良い人で終わるのかなと思ったら、曹操から荀ケに器が贈られてきました。あれ、空の器の話になるんだろうか。 器の中には紙が丸められて入ってました。広げてみても何も書かれていない。 荀ケはそれをみて「もはや私に上げるものはないとうことか」と嘆いて、病気の治療薬を一気に多量に飲み干して自殺してしまいます。
私が想像するに、丸めた紙は雪玉のつもりで、曹操は荀ケに「元気になって、もう一度、雪合戦をしよう」と言いたかった。 という「蒼天航路」の解釈であったと私は思いました。 |