2003年3月21日 羽田空港

運行トラブルの状況


始まり

3連休の初日、3月21日、全日空で旅行するため朝、羽田空港に行きました。

するとターミナル内はものすごい人の群れ。 全日空のコンピュータシステムにトラブルが発生して発券業務もチェックインもできず、飛行機が飛ばなくなっていたのです。

それが8時間以上も予定がずれこむ、このドタバタ劇の始まりです。

利用者はターミナルに溜まる一方で掃けることがなく、満員電車のような状態になっていました。


発券

8:30になってシステムが回復し、そこから発券作業が始またが、これが進まない。 自動発券システムは動作しない。 手動で発券できるのは1カウンタだけで、そこに人が殺到する。 発券が済んだ時点で2時間が遅れた。

 


チェックイン

自動チェックイン装置が作動するのは定刻8:30以降出発の便だけ。

定刻がそれ以前の便は係員が処理する手動のチェックインカウンタで処理をする。

それが2カウンタだけ開いており、これまた、そこに人が殺到する。

「遅れてチェックインしても飛行機は待ってくれるのか?」 利用者が全日空の係員に尋ねる。

係員は応えるがハンドスピーカを使わないで肉声で応えるから一部の人しか聞こえない。 周囲から「聞こえないぞ、もっと大きな声で話せ!」 、「こっちにも来て説明しろ!」 あちこちから利用者の怒号が聞こえてくる。


手荷物検査ゲート

次はチェックイン後の手荷物検査ゲートに人が殺到する。 いつもは順番に飛ぶ飛行機が一斉に飛べるようになったから、複数の飛行機に乗り込む利用者が手荷物検査ゲートに殺到する。

そのギュウギュウ詰めの中で大きな荷物を抱えた人が動き回る。 「全ての荷物は手荷物として機内持込みせよ、と指示された」と言って大きな荷物をカートに載せて移動する人もいた。

親子は離れ離れになって互いに呼び合い、赤子を抱いた母親は子供を回りの圧迫から守ろうと必死です。

そのような状態の中、「飛行機の便が早い人が優先的に手荷物検査ゲートに向かってください。」と係員が指示をする。 手荷物検査ゲート前の群集の後ろから、どんどん人が割り込んで前に殺到していきます。

荷物を抱えたまま押し合い、へし合い、大変な状況です。


搭乗ゲート

搭乗ゲートに行くと、そこがまたすごい人の群れ。 椅子がたりないから利用者は床にすわっている。 足の踏み場がないぐらいに床に人がすわっており、テレビでみたインドの路地のよう。

利用者を手荷物検査ゲートに通したはいいけど、その先の、飛行機タラップまで送迎するバスが足りない。 チェックインした利用者がどこかで詰まって搭乗していないから、それが集まるまで飛行機が飛べない。 滑走路も詰まって飛行機が飛べない。 だからいつまでも飛行機は飛べずに搭乗ゲートに人が集まるばかりで掃けない。

ゲート内の係員カウンタには利用者が殺到して質問と怒声が飛び交っている。 売店には食糧を買う人が長い列を作っている。 そんな状態のまま1時間、2時間と時間が経過していく。


遂に強行発進

そうしているうちに、予定出発時刻から3時間が経過した。 羽田から飛行機が飛ばないと、地方空港から折り返しの飛行機も飛べないわけ。 地方から折り返しの便もそれだけ遅れる。 遂に強行的に飛行機が飛び立った。 チェックインを済ませてもまだ搭乗ゲートに辿り着けない利用者を見捨てて。 乗り遅れた人たちは搭乗ゲートの係員に怒鳴り込む。

「xx便が飛ぶ、などとアナウンスされていない。聞いていないぞ!」 ]

「なんで7時の便の俺達が乗れなくて8時の便の利用者を先に乗せたのか?!」

「俺の荷物だけが積み込まれて飛んでいった。他所行きの便に振替えてそこから新幹線で行けと言われても荷物はどうなるのか?!」

「乗り遅れた利用者を他所行きの便に振り返ると搭乗ゲートの係員は言うが、ここでだけ説明してもだめだ! 場内アナウンスがさっきから1度も流れていないじゃないか。まだ搭乗ゲートに辿り着けない利用者も向こうにたくさんいるんだぞ! その人達は何も知らないんだ。此処にいる俺達だけを応対してもだめだ。此処にいない人達はどうなるんだ!」

「俺達は結婚式に呼ばれていたんだ。こんなに遅れてはもう行っても無駄だ。払い戻してくれるのか! 乗せてしまった荷物は戻るのか?」

「俺は熊本行きだが、さっきから3度も搭乗ゲートを変更されて移動させられた。いい加減にしてくれ!」

「電光掲示板に表示されている搭乗ゲートと係員が誘導する搭乗ゲートが違う!何でこうなるんだ!」

また、係員は「XX便にお乗りの方はxx番ゲートにお集まりください」と肉声で叫ぶが、なぜか場内アナウンスをしない。ハンドスピーカを持った係員もいない。

搭乗ゲートは変更されるが場内アナウンス流れない。電光掲示板もあてにできない。 だから搭乗ゲートの係員に直接確かめなければいけないから、利用者は群集を掻き分けて係員に質問しに往復する。

予定の機体が飛ぶのか、それとも代替の機体が用意されて飛ぶのか計画が立たないから出発時刻がわからない。 さっきのように気が付いたら飛んでいた、という心配があるから何度も係員カウンタに質問しに往復する。 利用者は何度も群集を掻き分けて往復する。

みんなが携帯電話をかけるから携帯電話回線もパンク。

有線で全日空本社に電話してもビジーでつながらない。

売店は、おにぎりなど食料が売り切れる。

地獄の釜のような状態のまま、3時間、4時間と時間が過ぎ、ついに予定時刻から8時間が経過した。


やっと飛んだ

予定時刻から8時間が経過して、私の飛行機が飛べるようになった。 着いた時は1日の予定が丸潰れでした。

 


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