98年参議院選挙に関して

98年の参議院議員の党別の割合を示す。

自民 民主 公明 共産
割合 47% 16% 10% 5%

上位4党で81%を占める。この上位4党の公約を比較した。

この中で明確に参議院選挙公約を党のホームページに上げているのは民主党,公明党,共産党の3党である。なぜ自民党は未だ公約が無いのか?

公約の中で「,を実現する。」,「,、とする。」と明確に言い切った表現は比較表の中で大文字で記述した。

「,、を図る。」,「,、を進める。」といった表現、実現の努力をします、努力することは約束するが実現することは約束しない、といった感じの弱い表現は小文字で記述した。公明党がこの表現が多い。逆に,強く言い切っているのが共産党。

各党の公約のリンクを以下に記す。この比較は以下のページをまとめたものである。

民主党

公明党

共産党


ちょっとした私見

自民党について

自民党は自民党は未だ選挙公約が無い。インターネットのHPを軽視しているのか?

民主党について

公明党について

公明党は温室効果ガスの規制策など環境保全重視といいながら、一方でマイカー税軽減を唱っている。車が増えてしまう。矛盾はないのか。

「,、を図る。」,「,、を進める。」といった表現、進める行為は約束するが実現することは約束しない、といった感じの弱い表現が多い。達成目標を明確にできていない。

共産党について

傾向

反米、中小は保護、大企業は足かせ,という政策傾向。先の衆議院選挙では規制緩和にも反対していた。「規制緩和は弱肉強食を強め、弱者は喰われるから反対」という意見であった。弱者保護,強者にハンディキャップ,が日本の中だけで済めばよいが、強者を育てずして世界を相手に出来るのか。特に金融など。今回は規制緩和反対とは唱っていないが政策路線は同じ。「金融ビッグバンは大手金融とアメリカ企業に大儲けをさせるもの」と定義している。


どこに投票する?

サッカーで言えば、自民党一党が半数を握っている国会は,ACミランや鹿島アントラーズなどの1つのチームの選手が半分以上入っている代表チームのようなもの。しかし、ずるずると相手に押されてジリ貧状態。ここで選手を入れ替えるか、それともこのまま進めるのか。

半分以上の選手が同一チーム所属なら、互いの戦術理解は早いし、チームワークもいい。ここで他チーム(野党)の選手を入れると戦術がばらばらになるかもしれない。議論が発散して何も政策が決められないかもしれない。でも、今の選手構成を変えないでいるのもやばそう。さあ、あなたが監督ならどうする?

岡田監督を換えるとか、カズ落とすなとか言う話はもう終わったのだから、今度は選挙のこと,生活のことを考えてみましょう。

 

景気問題では

が共通項。「減税だけで景気が向上しない。公共事業が必要だ。」,「いや、今の公共事業を増やしても景気に関係ない。だから無駄な歳出を減らしたほうがよい。」いろいろな意見があります。あなたはどっち?


選挙率が低いのは政治家の責任?

そんなことはありません。低い方が政治家の思うツボです,低くていいのです、特に旧来の政治家にとって。

民主主義の基本は、多数決の原理です。100%を支配するのに51%の集団があれば支配できます。さらに、その集団の26%を支配することで、実際には100%を支配できます。 49%の無関心層を作り、残りの関心層の半分である26%を握る。政治家は26%だけに選挙運動を行えばよい。 もし100%の人が政治に関心を持つな らば、選挙運動はより広範囲に 行わなうことになり,疲れるばかり。当選したら行政を担当し、みんなから税金を集め、26%の人にだけ還元する。 それでその一部の人々の支持を確保すればよい。これを100%の人に還元 させようとしたら大変です。 平等性などいろいろと考えないといけない。

すでに26%を確保した政治家にとって、この現状を変える理由はありません。 (これから新規支持層を開拓しようとする政治家は別ですが。)

棄権票が多かった先の都議選において、 深夜のニュース番組は 「得票率ではなく、得票数でみるとどの政党も去年を下回っている。 だからのどう の政党も敗北なのだ。」と言っていました。 では誰が勝者? 有権者が勝者といいたいのでしょうか。

敗北者は棄権した都民です。勝者は、、、

では、なぜ棄権者、無関心層が多いのか。 マスコミが大きく関与しています。

マスコミはトップ以外の議員を叩きません。「XX法案は族議員の反対にあって否決された。」と報道しても 族議員の氏名を明記することはありません。記事内容は ”一部の政治家によ って良い改革が邪魔された”という論調です。 しかし邪魔した議員の名前は記載されません。そして”政治家は悪い奴だ、何をやっても失敗だ。”と記事にするだけで誰が悪くて誰がいいのか書きません。(首相だけは名指しで叩かれますが)

読者は「政界には族議員という、改革を遅らせる一団がいるのだ。」 と思うだけです。こんなふうに報道されたら普通の人はどう思うでしょう。「誰に投票していいのかわからない。 みんなダメな人? 誰に投票しても同じ? やる気なくなるなあ”」 こう思うのが普通の心理です。

現状の報道スタイルでは「名前は知らないが、至る所に悪い議員がいるのだ。」と 読者が思うだけです。もう一つ、ひどいことに、我々もこの現状に馴れてしまい、 政治家の欠点をあげつらった記事の方がウケてしまう状態です。

ウケる記事を書くのも自然です。

我々民衆が悪いのも確かです。

これを打破するには、やはりみんなが政治に関心を持つしかない。 結局は投票する人に利益は還元されるのです。