98年自民党総裁選
98年の参議院選挙では自民党は大きく議席を減らし、橋本首相は辞任しました。それを受けて以下の3人が次期首相に立候補しました。
彼らの所信を比較します。
小渕 | 梶山 | 小泉 | |
基本姿勢 | 官僚依存から脱却し、政治が責任を持って決断、 実行する体制を作る。
約束したことはスピーディーに取り組み、 必ず実行する。 若手の人材起用など思い切った党改革を断行す る。 民間人を入れた経済戦略会議を創設する。 |
幕末、敗戦に続く「第三の開国」期を迎えている。 惰性の政治や経済運営のまま
ではこの状態を脱却できない。
今後、3年間の「日本経済緊急事 態宣言」を行う。モノ作りを基盤とする「新産業立国」を実現する。 |
国民が政治を通じて行政をリードする態勢を本気 で確立したい。
参院選の反省に基づき、政策実現に当たっては 有識者など国民の英知を結集し、各党の意見をよく聴く。 |
行政
改革 |
10年間で国家公務員定員を20%、コストを30%削 減する。 | 10年間で中央省庁の公務員数半減。
特殊 法人の民営化や規制緩和、天下りの見直しなどを推進し、国から 地方、官から民へと権限、財源を移譲。 |
|
政治
改革 |
今後10年間で国会議員の定数を衆院300人、参院 150人に削減。
そのための選挙制度改革を実行。国会 審議の在り方を抜本的に見直す |
||
税制
改革 |
総額6兆円超の減税を実施する。法人課税実効税 率46%を40%、所得税・住民税の最高税率65%を50%にそれぞ
れ引き下げる恒久的減税とする。
財源は赤字国債。 年間所得 700万−1000万円の中堅所得層の税率を緩和し、現時点で課税 最低限は引き下げない。中堅サラリーマン向け住宅ローン減税 を実施する。 |
抜本的な改革。
国際化の視点から法人事業税の引 き下げ、恒久的かつ戻し減税的な所得税減税の実施は不可欠 だ。 |
法人課税実効税率を46%から国際基準に適応した 40%程度に引き下げ、恒久的な所得税減税を実施する。
財源と して一時的に赤字国債を発行 |
不良債権処理 | 不良債権の情報開示と金融機関の経営責任 の徹底追及により、2001年3月31日までに処理。
金融機関の垣根 問題に取り組み、金融商品、市場を整備 |
現在は「金融不況」であり、金融機関の不良債 権問題を早急に解決する必要がある。
2年以内に金融システムを 大手術。 金融機関の徹底的な情報開示をする。 不良債権を「回収懸念」 「回収に重大懸念」「回収不能」に3分類する。 全銀行に不良債権 相当額の貸倒引当金を強制的に計上させ、援助すべき銀行と整理すべき銀行が判明できるようにする。 (発言抜粋:日本の銀行の競争 力を強化するには大手の銀行は半分あれば間に合うだろう) 公的資金を投入するが、各金融機関責任者、金融当局者の責 任逃れは許さない。 手術による混乱を防ぐため、
の三つの安全措置を創設する。 |
不良債権の実態を完全に把握、開示し、果断 に処理する。経営・行政責任を徹底的に追及 |
財革法 | 期限を切らず凍結する。
事業費10兆円超の追加補正 予算を編成する。 |
3年間は運用を停止する。
無駄な歳出を削減し、公共 事業の配分を見直す。民間資金による公共事業実施の方式を導 入する。 |
廃止する。
不況克服までは財政出動を優先し、その 後は長期的財政再建策を実施する。 |