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遣唐使

( 97.6.19)

野球博物館のあるクーパースタウンにはバッティングセンターがありました。 アメリカでは硬球かと思ったのですが、実は日本製の軟球でした。KENKOと書いてある。 アメフトみたいな顎のガードが付いたヘルメットをかぶらされます。

また投球速度を測る機械があって、みんな挑戦してました。 記録をみると15歳の女の子が100km/h投げています。 これは大したものですよ。

野球経験者と思える兄さんが 目の前でドカンドカン投げていましたが、それで100km/hですから。 みんな大リーグ式の投げ方してますね。    

見ていて日本式の投げ方と基本的な違いがついに分かりました。

大リーグの投手は日本のプロと較べると上半身だけの手投げで 素人が投げているように見えませんか。 でも理屈の違いだったようです。 野茂や広島の大野、巨人の堀内など日本的な投げ方というのは、 ボールを一旦、膝下まで降ろし、一番遠くに置いてから、 そこから引っ張り上げだんだん加速をつけていく投げ方です。 それに較べてアメリカ式は、弓のようにブンと胸を張り、 その反動で 投げ返すのです。  ロッテの伊良部はアメリカ式のようですね。  

40年前のアメリカの野球ビデオを見ると、その頃は今のの日本式で投げていたようです。

日本の野球技術の元はその頃にありますね。 その時代にせっせと大リーグの打撃フォームや投球フォームを研究して 取り込んだようで す。 打撃フォームもその頃の打撃の神様と呼ばれたTed Williamsのものを 取り入れ、 今でも影響が残ってますね。 今のアメリカ式は日本に来る助っ人たちを見ても分かるように、 テークバックがありません。 大リーグ式はグリップの位置から一気に振り出します。 日本式はグリップの位置から一旦後ろに 引いて反動をつけてからスイングします。  

日本は40年前から後は輸入したものを日本独自で磨き上げた。 その間に大リーグのほうもフォームは変化していきました。その結果輸入した日本とオリジナルの米国で差が出てきた。

 遣隋使や遣唐使と同じですね。 今の日本の漢字の音読みはその頃の古代中国式で、 今の中国語とはかなり違います。本場の中国は変化していくのに対し、輸入した日本では当時の発音をそのまま今でも使っている。

会社の組織形態にも同じ事が言えるかも。 日本がアメリカ的大量生産向けの大型組織を模倣し, 世界一効率的な大企業にまで仕上げていった。その間に アメリカでは大企業スタイルがすたれ、SOHO(Small Office Home Office)と呼ばれる個人や小企業が 技術開発や情報産業の主体となってきている。


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