HOME




2001-09-18 米国同時テロとMLB

NYの世界貿易センタなどを破壊したテロ事件でMLBはシーズンを4日間中断しました。テロに対してMLBはどのように行動したか記します。

コミッショナー

セリグ・コミッショナーは以下の記事をホームページに記載。
「野球は小さいけれど、人々が悲しむとき、 連帯するとき、特別な役割を果たすことができる。米国そのものに似て、野球には人々を鼓舞する  力があり、元気をすぐに回復する力がある。米国の日常を取り戻すのは野球だ。」


ボランティア活動

バレンタイン監督は練習そっちのけで、終日ボランティア活 動の陣頭指揮を執った。「一日も早く、この不安から世界中の
  人々が解放されなければ。(人々が)普段の生活を取り戻すため  に頑張る」同監督は前日も午前1時まで居残って作業に従事。17日も、遠征出発まで人一倍大きな声を張り上げて作業に没頭 していた。
寄付
最も被害を受けたニューヨークに本拠を構えるヤンキースとメッツの両球団のオーナーは、ともに100万ドルの寄付をすると発表。


ユ ニフォームに星条旗

再開後の全ての試合、全チームの選手が帽子、ヘルメット、ユ ニフォームに星条旗をつけて試合に臨む。これはテロに対して の団結や、テロ事件の被害者に対する弔いの意味も含まれる。
NYメッツ、NY市警帽で出陣
メ軍は救助活動などにあたるニューヨーク市警(NYPD)に敬意を表し、同市警のロゴが入った特別製の帽子をかぶって試合に臨むことになった。MLBもそれを許可。
11日に起きたテロ事件で、今もマンハッタンではがれきに埋もれた人々がいる。それを徹夜で救助している市警(NYPD)や消防署の人々。そうした救助隊に勇気を与え、力になれたら…。NYPD帽は、メッツナインの心がいつもニュ ーヨークにあるあかしだ。
非常事態下で働く警官もメッツの決断に感謝している。「メッツの行為は、とてもありがたい。大変だけど、我々がやらなければ何も解決しない。でもアメリカは、ニューヨークは必ず復活します」と警察官は力強く宣言した。ニューヨ ーク市民の心は今、復興へ向けて1つになっている。

そしてメッツは中断開けの第一戦に勝ちました。その大事な試合に新庄は4番として出場。1―1の同点で迎えた9回は先頭打者として死球で出塁、今季3個目の盗塁を決めると2死1、2塁からタイムリーヒットで勝ち越しのホームを踏む活躍。(日刊スポーツ)

 

シアトルマリナーズ、静かな優勝

9月19日、イチローがいるシアトルマリナーズはアリーグ西地区でリーグ優勝を果たしました。しかしテロ事件に哀悼の意を捧げる意味で、はでな優勝祝いはなし。シャンパンかけもなし。

イチローはこう思っていた。「昨日までは果たしてグラウンドに立っていいものかどうか。多くの人が集まる場所は危険だからお客さんは来てくれるのだろうか、あのような事件があって果たしてファンの方、そして自分たちも素直に優勝を喜べるかどうか不安でした。」

 

 

優勝が決まった試合、試合後、マウンド上の星条旗を中心に全選手が帽子を取り、ひざまずいた。人種、宗教の違いを超え、心をひとつに哀悼と感謝の祈りをささげた。歓喜の輪もなければ、雄たけびもない。見慣れた優勝決定後の光景とは縁遠い1分間の静寂。黙とうが終わると、それまでの静寂が大歓声に変わった。マクレモアが持つ星条旗を先頭に全員でダイヤモンドを1周。スタンドのファンは「USA」を連呼。

野球をみていると日常が帰ってきたように感じます。野球には日常を取り戻す力があることを感じさせた試合でした。

 

ワールドシリーズ、ヤンキースアタジムの国旗
 
ワールドシリーズでヤンキースタジムに掲げられたボロボロの国旗は、スタジアムの由緒あるものかと思ったら、倒壊した世界貿易センタービルに掲げられていた国旗だそうです。
 

 
 
97年のワールドシリーズ。フロリダマーリンズの全選手は,ケガでシリーズに出場出来なくなったチームメートの背番号を帽子にマジックで書いて戦い、みごとシリーズを勝ち取った。
 
 

 
 
仁義の世界
 
 
97年、Big Macことマーク.マクガイワ選手はアリーグで年間新記録を作るぐらいの勢いでホームランを打ちまくった。しかしシーズン途中で移籍問題が発生し、そこでいくつか選択肢がある中からナリーグのセントルイス.カージナルスを選んだ。リーグが変わればホームラン記録はリセットされ、ホームラン王争いは出来なくなる。それでもかつての恩師ラルーサ監督のいるカージナルスを選んだ。ホームランキングより恩返しを選んだ。