日本的システム あいまいな権限委譲

96年12月21日


 
これは孫子の言葉で、本国にいる君主が戦うなといっても、現地の将軍が必勝出来ると思えば戦ってよい,逆に君主が戦えといっても勝てなければ戦わなくてよい,という意味である。現地の責任者はここまで権限を与えてもらえないと、緊急事態に適切な行動はとれないのである。いちいち日本の上司に相談したのでは間に合わないことが多い。
 
日本の大臣は実行責任者ではなくて内部組織の顔役や調整役なのだ。内部調整は得意で平和なときはよいが災害やテロなどの緊急時には困る。神戸震災があっても,責任権限のあいまいなマネージャばかりいる,という傾向は直らない。
 
神戸震災の時、アメリカのFIMAに相当する,責任と権限が一極集中する全権委任対策本部が緊急時には必要である、とさんざんに論じたではないか。

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