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6月27日:5923:シルバーライフ協同組合『オンザウェイ7・8月号』より シルバーライフ協同組合『オンザウェイ7・8月号』より 1940年、フィンランドに生まれたツルネンさんは、1967年キリスト教会の宣教師として来日。 79年日本に帰化し、湯河原町議会議員等を経て、61歳で参議院議員に当選。 長年、福祉問題・環境問題等に取り組んで来たツルネンさんに、福祉大国フィンランドと日本の高齢者事情を見比べながら、より良い老後の生き方についてお伺いしました。 自然と触れ合うことで心も身体もリフレッシュします。 (湯河原の自宅の家庭菜園にて) 自立する高齢者フィンランドと日本の違いで際立っているのが、老後の住まい方、暮らし方でしょう。 フィンランドでは、ほとんどの高齢者は、一人暮らしか老夫婦二人で生活しており、その割合は全高齢者世帯の九十三パーセントにものぼっています。 子供と同居している世帯はわずか一〜ニパーセント、残りの五〜六パーセントが老人ホームで暮らしています。 老いて一人で暮らしていると、日本では「かわいそう」とか「不安」という印象を抱きがちですが、フィンランドではシニアも「自立」して生活することが当然と考えられているのです。 もちろんケアが必要になってくる場合もあります。 そうした時、多くの人が利用するのが老人ホームです。 私の父も晩年パーキンソン病をわずらい、十年間、老人ホームでお世話になりました。 その間、父は老人ホームをベースキャンプにして、四人の娘たちの家にときおり出かけていっては一週間ほど滞在し、孫たちと過ごすひと時を楽しみにしていました。 老人ホームでの生活も、自立心をもって楽しんでいます。 入居者の平均年齢は八十五歳と高齢ですが、老人ホームのロビーでくつろぐご婦人は外出用のドレスを身にまとい、老紳士はスーツにネクタイといういでたちです。 ホームのロビーは社会の一部であり、社会との交流の場なのです。 フィンランドの老人ホームの多くは、街中にあります。 そこには、人がいて、普通の生活があります。 人間という文字は、人と人の間と書くように、人の中にいてこそ人間らしく生きることができるのです。 シニアを孤立させない社会が、シニアの自立を促し、それがまたシニアの心身の健康を保つ源となっているのです。 大切なことは、老後の生き方を選択できるようになるということでしょう。 介護が必要になった時も、フィンランドでは老人ホームに入る、在宅ケアを受ける、自分の子供に面倒を看てもらうなどいろいろな選択肢があります。 そして、いずれの場合も、高齢者が社会から隔絶されることなく、社会とのつながりの中で生活できる環境が整えられなければなりません。 老後は「趣味」に生きるもう一つ、フィンランドと日本のシニアでは、老後の過ごし方に大きな違いがあります。 まず、フィンランドでは、老後は年金だけで十分に生活できることもあり、定年後も収入を得るためだけに仕事をしたいという人はあまりいません。 ほとんどの人が「趣味」を楽しみながら生活を送っています。 趣味といっても、特別なことではありません。 家庭菜園で野菜をつくったり、森の中でハイキングを楽しんだり、魚釣りに出かけたり、料理に腕をふるったり・・・。 自然と触れ合いながら、生活そのものを楽しんでいるのです。 私のとっておきの楽しみであり、ふだんの生活で疲れた心と身体を癒してくれるのも、自然との触れ合いです。 週末は湯河原の家で家庭菜園を楽しみ、疲れている時は何時間も森の中を歩きます。 自然の中にいることで、無意識のうちに「自然の恵みによっていきている」ことを実感し、「人間を越える力」を感じることができるのです。 自然の中にあってこそ、人間が人間らしさを見つけることができるといってもよいでしょう。 生涯現役の気概をもつ日本では、定年後も働きたい、社会の役に立ちたいと考えている人がたくさんいます。 フィンランドとは対照的ですが、それは素晴らしい生き方だし、どちらが良いとか悪いとか一概に決めつけることはできません。 五十五歳で定年を迎えても、まだまだ働き盛りです。 現役を退いても、孫の世話をしたり、シルバー事業に参加したり、ボランティア活動を行ったり、シルバーの力を必要としている人も場所もいろいろあります。 いくつになっても、「目標」をもつこと。 そして「絶対に引退しない」という生涯現役の気持ちを、もちつづけることが、大事なのではないでしょうか。 私も六十三歳ですが、これから四年間は国会議員としてのつとめを果たしていくことに生きがいを感じていますし、人生の中で今がいちばん充実したときを過ごしているとも思います。 私も、すっかり日本人になっているということでしょう(笑)。 この雑誌の表紙に「エンジョイ、エイジ」という言葉がありますが、まさにそのとおりだと思います。 年齢を楽しむことです。 それぞれの年齢を楽しむことです。 それが、とても大事なことだと思います。 以上シルバーライフ協同組合『オンザウェイ7・8月号』より P |
6月24日:4847:城南新報チャレンジドシンポ 毎日新聞2003年6月22日 「聖域」に切り込む勇気を! 「聖域」に切り込む勇気を!不良債権問題は日々深刻の度を増し、産業の空洞化にも歯止めがかからない。 景気低迷と失業の増大に出口は見えず、わが国は巨額の財政赤字のもと、薄氷上を巨象が歩むがごとき危機的状況にある。 求むべき経済・雇用に関する処方箋は、「公共投資、真水で10兆円」といった台詞で一括されてはならない。 一方、わが国が国際社会の中で魅力と活力、そしてモラルを取り戻すためになすべき課題は山積みにされている。 国民が誇りを持てるような先端技術の開発や小さくとも世界に二つとない製品を作る中小製造業の復権。 日本独自の文化・芸術の伝承・醸成と発信。 真っ当な努力が報われ、やり直しがきくような税や社会保障制度の再設計。 美しい水や空気をはぐくむ自然環境の復元と田園国家の形成。 21世紀を生き抜き、世界に日本モデルを発信できるたくましく創造的な人材の育成など。 しかし、これら課題を実現するには、余りに財源は乏しい。 政府税調は消費税増税と高齢者優遇税制の縮小を答申した。 事の是非はともかく、国民に痛みを強いる前にまず政治、行政が身を切らねばならぬことは自明の理。 政治家一人一人が党派を超えて、タブーに踏み込み、いかにこの国難を乗り越えるべきかを真剣に検討すべきだ。 一つは時代の要請と適合しない公共事業の大幅削減だが、これはもはや実行あるのみである。 いま一つは、行財政改革の「聖域」、政治家、中央官僚を含めた公務員の人件費の見直しである。 いずれも国と地方で約30数兆円の歳出・事業規模を有し、与野党ともにそこに踏み込みにくい政治的背景が存在する。 自ら公務員生活を経験し、公務につく人々の身分保障の制度的重要性を理解する筆者にしても、中小企業やサラリーマンが破産やリストラの危機に瀕しているこの時勢にあって、三八〇万人の公務員の人件費の総額が約三八兆円、すなわち一人当たり約一千万円に上る事実は極めて重く受け止めざるをえない。 日本で最も競争力のある自動車産業を含む輸送機器製造業の一人当たり人件費六百数十万円を約四割も上回っている。 少子高齢化の進展に伴う将来的な国民負担率の上昇が不可避な中で、公的立場にいるものが進んで痛みを受け入れずして、国民に痛みを分かってくれとは説得不可能である。 すでに筆者の地元の京都市では桝本頼兼市長のリーダーシップと労使間の話し合いのもと、最近二年間にわたり最大十五%の給与カットで七〇億円余の財源を捻出済だ。 田中康夫長野県知事、片山善博鳥取県知事も同様、或いはさらに大胆な改革を推進中である。 人件費の削減で得られた財源は、先に述べた国家的課題の解決を念頭に「社会的需要」の充足に用いる。 例えば小人数の高齢者がケアを受けながら共同生活を送るグループホームや職業能力開発補助金の上積み。 森林の間伐や保護、食品安全や土壌・水質汚染などの監視を行う食品Gメン、環境Gメン制度の創設、学校での社会人講師の登用など、これまで不十分だった公的サービスを増強する。 主体は当然民間。 国民にとっては公的サービスの充実と新たな雇用の創出という二重の利益を追加負担なく実現できるのである。 政治家・官僚の人件費の節約を財源に、従来役所が提供していなかった広義の公共サービスを民間に担ってもらう「公的ワークシェア」。 公共事業改革とともに、これからの「公」のあり方に一石を投じる重要課題だ。 社会的に責任ある立場にある政治家や官僚は、自ら「聖域」に切り込む勇気をもつべきである。 マスコミ目次へ戻るホームP |
6月25日:12925:実績 逐条解説 第1章総則 第1条(目的) この法律は、たばこが個人又は社会に及ぼす害悪を防止し、国民の健康増進等の公共の福祉に寄与することを目的とするものであることを規定したものである。 喫煙の弊害については、改めて言うまでもなく、これまでWHOを始めとする各種機関等によって指摘されてきたところであり、それに対する取組みも行われてきた。 ところが、喫煙は、世界的には拡大傾向にあり、特に途上国において今後大きな問題となることが指摘されている。 2000年8月7日、シカゴで開催された第11回たばこか健康世界会議における基調講演で、ブルントラント世界保健機関(WHO)事務局長は、次のように述べている。 「たばことの戦いは50年以上も続いている。 最初の大きな転機は、ルーサー・テリー博士がたばこによる健康被害に関する記念すべき衛生総監報告書を発表した時である。 たばこはがんを増加させ、死を招くということが明らかにされ、世界中の多くの国においてたばこ病蔓延の抑制策をとる基礎となった。 第二の転機は、過去3年間に起こり、多数の法廷審理や評決において、たばこ会社は喫煙その他のたばこの使用によって引き起こされた害について責任を負うべきだという重要な原理が示されたことである。 ところが残念ながら、依然としてたばこは世界的に蔓延しつつある疫病である。 その結果、たばこは個人にとって悲劇であるだけでなく、我々のヘルスシステムに大きな負担をかけている。 税金を消費し、社会の経済生産性を損なう。 しかもその重荷は、途上国にのしかかっている」喫煙の健康面への害を指摘した文書は多いが、例えば、一日数本のたばこを吸っただけでも心臓発作を起こす危険性が増大することが、デンマークの研究グループによる22年間の大規模追跡調査で分かったという(平成14年8月16日付け読売夕刊)。 また、喫煙者の20%がかかる病気といわれ、息切れ、咳や痰といった症状から始まる慢性閉塞性肺疾患が指摘されている。 この病気は、たばこが最大の原因であることは間違いないとされている(平成15年4月30日付け毎日夕刊)。 こうした状況にあって、禁煙は時代の趨勢となりつつある。 このため、この問題にかねて取り組んでいる世界保健機関(WHO)は、たばこに起因する疾病・死亡が世界的に広がり(死者は年間490万人に達するとされる)、多国籍たばこ会社が更に販路拡張を続けている事態を憂慮し、保健分野で初の多国間条約となる「たばこ規制枠組み条約」を提案していたが、各国間の交渉が難航の末にまとまり、平成15年5月21日、世界保健機関(WHO)の総会において採択された。 条約は、広告の原則禁止、スポンサー行為等の原則禁止、包装における「マイルド」等の表現の規制、自動販売機の規制、健康警告表示の強化、たばこへの重課税化等を骨子としている。 本年6月16日から署名を開始し、40か国以上の批准により発効する。 我が国は、本年秋に想定される次期臨時国会での批准を目指す。 一方、国内的にも、平成14年7月26日に成立した健康増進法が平成15年5月1日から施行された。 その第25条では、学校、百貨店、官公庁施設、飲食店等の多数が利用する公共施設の管理者は、受動喫煙を防止するため必要な措置を講ずるよう努めるべきものとされた(受動喫煙については第3条の解説参照)。 ちなみに、同日から、首都圏の私鉄駅と高速道路サービスエリアの大半が全面禁煙に切り替わったことや、世田谷区の区立小中学校において学校敷地内での全面禁煙が行われていること等が報じられている。 本法案は、こうした内外の状況を踏まえ、更なる喫煙対策の拡充が必要であるとの認識の下に作成されたものである。 なお、この法律の目的を達成するため、本法案では次条以下に定める各種の措置を講ずべきものとした。 第2条(小学校等における禁煙教育の実施) 喫煙の健康に及ぼす害悪、受動喫煙による周囲の者への影響、そして社会への影響については、学校教育の中でもきちんと取り上げる必要があることは言うまでもない。 現在でも、例えば小学校の学習指導要領において、「喫煙については、長い間続けると肺がんや心臓病などにかかりやすくなるなどの影響があること、受動喫煙により周囲にも影響することを理解させる。 未成年の喫煙は法律により禁止されていることについて触れるようにする」などと記載されているが、こうして小学校から高等学校までの各成長・発達段階に応じて、禁煙のための教育が行われているのである。 そこで、こうした現状も踏まえ、本条は、学校における禁煙教育を更に徹底するため、禁煙教育について改めて法律上の根拠を明確にするという趣旨に基づき、学校法人等の学校の設置者に対し、禁煙教育を実施するよう努力義務を課することとしたものである。 第2章喫煙等の制限 第3条(公共の場所又は乗物における喫煙制限) 本条は、人の大勢参集する公共の場所や乗物においては、指定された場所以外の場所では喫煙してはならないことを定めている。 喫煙自体を完全に否定するという考え方(全面的な禁煙)には立っておらず、喫煙する場合には周りの者に迷惑を及ぼすことがないよう決められた場所で吸わなければならないこととしている。 これは、喫煙行為を場所的な面から制限するもので、いわゆる「分煙」といわれる考え方に立ったものである。 これに違反した場合には、10万円以下の罰金に処することとした。 ところで、分煙の考え方の背景には、受動喫煙という問題がある。 受動喫煙とは、「他人が吸っているたばこの煙を吸わされること」をいうが、煙の中には発がん物質を含む400種類以上の化学物質が含まれており、煙を吸わされた人にも悪影響が及ぶ。 受動喫煙の害に関しては、妊婦の受動喫煙は流産のリスクを高めると指摘されているほか、育児中の両親の喫煙で煙を吸った乳幼児に突然死症候群を発症するリスクが高くなることが旧厚生省の調査で判明している。 また、直接吸うより健康への害が大きいとの研究報告もある。 ちなみに、厚生労働省は、分煙の効果を徹底し、受動喫煙を防止するため、平成14年6月6日、分煙効果を判定するいくつかの基準をまとめている。 本条は、健康増進法第条において努力義務とされている公共施設管理者の受動喫煙防止義務について、その実効性を担保するため、これに罰則を設けることとしたものである。 ちなP |
6月25日:7401:実績 喫煙等の規制に関する法律案(試案) 目次 第1章総則(第1条・第2条)第2章喫煙等の制限(第3条ー第6条)第3章製造及び販売における制限(第7条ー第9条)第4章未成年者の喫煙の禁止(第10条ー第15条) 第1章総則 第1条(目的) この法律は、喫煙が喫煙者及び周囲の者の健康に有害な影響を及ぼすものであるとともに、たばこの吸い殻の不法投棄等が生命、財産等に多大の損害を与えるものであることにかんがみ、公共の場所又は乗物における喫煙、たばこの吸い殻の投棄、未成年者の喫煙等を規制し、及び製造たばこに警告文の表示を義務づける等によって、たばこが個人的又は社会的に及ぼす害悪を防止し、もって公共の福祉に寄与することを目的とする。 第2条(小学校等における禁煙教育の実施) 学校(学校教育法に規定する学校をいう)の設置者は、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、盲学校、聾学校又は養護学校において、喫煙による喫煙者の健康への影響、受動喫煙による周囲の者及び胎児への影響並びに社会に及ぼす影響があることを理解できるよう禁煙教育の実施に努めなければならない。 第2章喫煙等の制限 第3条(公共の場所又は乗物における喫煙の制限) 何人も、道路、公園、駅、興業場、飲食店その他の公共の場所又は電車、乗合自動車、船舶、航空機その他の公共の乗物(以下「公共の場所又は乗物」という)においては、これらの施設の所有者又は管理者が喫煙できる場所として指定する場所以外の場所で喫煙してはならない。 第4条(歩行中の喫煙等の禁止) 何人も、歩行中の喫煙その他他人の身体又は財産に危害を加えるおそれがある状態での喫煙をしてはならない。 第5条(吸い殻の投棄禁止) 何人も、みだりにたばこの吸い殻を投棄してはならない。 第6条(罰則) 前3条の規定に違反した者は、10万円以下の罰金に処する。 第3章製造及び販売における制限 第7条(警告文の表示義務) 日本たばこ産業株式会社又は特定販売業者(たばこ事業法第14条に規定する特定販売業者をいう。 以下同じ)は、その製造又は輸入に係る製造たばこ(たばこ事業法第2条第3号に規定する「製造たばこ」をいう。 以下同じ)を販売する時までに、当該製造たばこの箱の表側及び裏側に、喫煙が生命又は身体に重大な害悪を及ぼす旨の警告文として政令で定めるものを表示しなければならない。 この場合において、警告文の面積の表側又は裏側の面積に占める割合は、表側は3割以上、裏側は4割以上でなければならない。 2日本たばこ産業株式会社又は特定販売業者は、製造たばこの箱の表面に、マイルド、ライトその他喫煙による害悪が少ないとの誤解を与えるおそれのある用語として政令で定めるものを用いてはならない。 第8条(自動販売機による販売の制限) 特定販売業者又は製造たばこの小売販売業者は、自動販売機による製造たばこの販売をするに当たっては、自動販売機の利用者の年齢を識別することができる装置として政令で定めるものの付いた自動販売機によらなければ、自動販売機による製造たばこの販売をしてはならない。 第9条(罰則) 前2条の規定に違反した者は、50万円以下の罰金に処する。 第4章未成年者の喫煙の禁止 第10条(未成年者の喫煙の禁止) 20歳に満たない者(以下「未成年者」という)は、喫煙をしてはならない。 2前項の規定に違反して喫煙した者は、10万円以下の罰金に処する。 第11条(ボランティア活動への参加) 家庭裁判所は、前条第1項の規定に違反して喫煙した未成年者の保護事件について、審判の結果、少年法(昭和23年法律第168号)第19条第1項、第23条第1項(同法第18条に当たる場合に限る)若しくは第2項又は第24条第1項の規定による決定をする場合には、当該未成年者に対し、公共の場所における清掃その他の政令で定めるボランティア活動への参加を勧告することができる。 第12条(たばこ及び器具の没収) 第10条第1項の規定に違反して喫煙した者が所持するたばこ及び器具は、行政の処分により没収する。 第13条(親権者の処罰) 未成年者に対して親権を行う者又は親権を行う者に代わって未成年者を監督する者が、情を知ってその喫煙を制止しなかったときは、科料に処する。 第14条(販売者の処罰) 未成年者に、その自用に供することを知ってたばこ又は器具を販売した者は、50万円以下の罰金に処する。 第15条(両罰規定) 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第9条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の罰金刑を科する。 附則 第1条(施行期日) この法律は、平成○年○月○日から施行する。 第2条(未成年者喫煙禁止法の廃止) 未成年者喫煙禁止法(明治33年法律第33号)は、廃止する。 第3条(従前の自動販売機による販売の経過措置) 第8条に定める年齢識別装置の付いた自動販売機以外の自動販売機による製造たばこの販売を行っている業者については、この法律施行の日から○年間は、従前の自動販売機による販売を行うことができる。 第4条(以下略) ※その他の必要な措置については別途検討することとする。 P |
6月25日:5357:実績 喫煙等の規制に関する法律案大綱(試案) 第1目的 この法律は、喫煙が喫煙者ばかりでなく周囲の者の健康にも害を及ぼすものであること、また、たばこの吸い殻の法投棄等が生命、財産、環境等に多大な損害を与えうるものであることにかんがみて、公共の場所又は乗物における喫煙、吸い殻の投棄、さらに未成年者の喫煙等を規制したり、たばこの害悪に関し製造たばこに警告文の表示を義務づける等の必要な措置を講ずることにより、たばこが個人または社会に及ぼす害悪を防止し、もって国民の健康増進等の公共の福祉に寄与することを目的とする。 第2小学校等における禁煙教育の実施 学校の設置者は、小学校、中学校、高等学校等において、喫煙による喫煙者の健康への影響、受動喫煙による周囲の人々や胎児への影響、社会に及ぼす影響があることを理解できるよう禁煙教育の実施に努めなければならない。 第3公共の場所又は乗物における喫煙及び歩行中の喫煙の制限 @道路、公園、駅等の公共の場所又は電車、バス、船舶、飛行機等の公共の乗物においては、指定された場所以外の場所で喫煙してはならない。 A歩行中は、他人の身体又は財産に危害を加えるおそれがある状態で喫煙してはならない。 第4吸い殻の投棄禁止 みだりにたばこの吸い殻を投棄してはならない。 第5警告文の表示義務 @日本たばこ産業株式会社又は特定販売業者(たばこ事業法に規定する特定販売業者)は、その製造又は輸入に係る製造たばこを販売する際には、喫煙が生命又は身体に重大な害悪を及ぼす旨の警告文を、表裏両面に少なくとも3割以上にあたる面積で表示しなければならない。 A日本たばこ産業株式会社又は特定販売業者は、製造たばこの包装、広告等に、マイルド、ライト等の喫煙による害悪が少ないとの誤解を与えるおそれのある用語を用いてはならない。 第6自動販売機による販売の制限 たばこの販売業者は、自動販売機でたばこを販売するに当たっては、自動販売機の利用者の年齢を識別することができる装置が付いた自動販売機によらなければたばこを販売してはならない。 第7未成年者の喫煙禁止等 @未成年者、喫煙してはならない。 A家庭裁判所は、喫煙した未成年者に対し、審判の決定をする場合は、公共の場所における清掃等のボランティア活動の参加を勧告できる。 B喫煙した未成年者が所持するたばこ等を行政処分により没収する。 C未成年者の親権者又は親権を行う者に代わって未成年者を監督する者は、未成年者が喫煙することを制止しなければならない。 Dたばこの販売業者は、未成年者に対し、未成年者自ら喫煙するために買うことを知ってたばこを販売してはならない。 第8罰則 第2ないし第5まで、第6@又は第6Dに違反した者に対し相当の罰金刑を設ける。 また、その違反考が法人又は人の業務として違反行為をしたときは、その法人等についても同様とする。 P |
6月21日:11477:政策・メッセージ 藤井基之の国会レポート(その6) 東京も梅雨に入り、今日も雨模様。 紫陽花も色を増しています。 国会議員として1年10ヶ月が経過し、御支援を戴いている皆様にご挨拶と、ご報告をしたいと考え、先月14日、議員として初めて「藤井基之と語る会」、いわゆる政治パーティを開かせていただきました。 当日は1000人近い方々のご出席をいただきました。 会では、このホームページに掲載した国会活動報告をまとめた冊子「藤井基之のあゆみ」を配布させていただきました。 ご参会いただいた皆様に心から、御礼を申し上げたいと存じます。 (規制緩和) ところで総合規制改革会議は,規制改革アクションプログラム・12として重点項目を定め、検討を続けて来ました。 そのうち、医療関係としては、次のような項目が取り上げられています。 1株式会社等による医療機関経営の解禁2いわゆる「混合診療」の解禁3医薬品の一般小売店における販売これらはいずれも国民の健康や生命に直結する社会的規制である医療法、薬事法に係る問題です。 それだけに、これらの規制の緩和が経済対策の一環として取り上げられた当初から、議論が続いて来ました。 同会議の考え方は、「経済財政諮問会議」が6月中にまとめようとしている「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」いわゆる「骨太2003」に盛り込まれる予定となっています。 ところで、疑問に思うのは、どうしてこれら項目が経済財政運営の「最重点項目」とまで銘打って取り上げられなければならないのか、という点です。 もともと規制緩和は、許認可制度等を緩和し、市場の自由競争を活発化することによって経済を活性化しようということで始まったはずです。 しかし、例えば、一般用医薬品の販売規制の緩和は、どう考えても景気対策にはなりません。 医薬品とは、趣味や趣向で使用されるものではなく、販売される場所が増え、競争が激しくなったからといって、総販売量が増える性格のものではないからです。 驚いたことに、医薬品の販売規制の緩和を最も強く主張している改革会議の委員自身が、景気対策にはならない、と明言しているとのことです。 では、何故、取り上げられているのか。 「便利だから」、「夜間休日に薬を買えるようにするため」というのが、最大の理由だというのです。 それならば、近年は、医薬分業が急速に進み、地域には救急診療所に対応するため、薬局の輪番制等の体制が整備されるようになってきました。 また、夜間でも急ぎの患者に対応する旨を表示する薬局も増えています。 それでもまだ夜間や休日の供給体制が不備だというのなら、まず、薬局薬店に対し、体制の強化を指導することの方が筋なのではないでしょうか。 それもせずに、「薬局薬店が対応しないから、"安全性に関する議論はさておいてでも"、コンビニに医薬品を自由に売らせるべき」という主張は、「理由はどうあれ、まずコンビニに」という結論先にありきの、ずいぶん飛躍した議論といわざるを得ません。 総合規制改革会議の役割は、日本経済の再生にあるはずですが、その効果も期待できない、にも拘わらず日本の優れた医薬品の販売許可制度を、単に「便利」だけを理由にして変えてしまうことが、本当に国民のためになるのでしょうか。 さて、6月18日、内閣府は、骨太2003原案を公表しましたが、同案に、規制改革重点項目が盛り込まれました、一般用医薬品については、次のように記載されています。 「医薬品販売体制の拡充医薬品の一般小売店における販売については、利用者の利便と安全の確保について平成15年中に十分な検討を行い、安全上特に問題がないとの結論に至った医薬品すべてについて、薬局・薬店に限らず販売できるようにする」これについて、党厚生労働部会において、厚生労働省から「この記載は原則論である。 医薬品として一般小売店で販売できるようにするか、医薬部外品として一般小売店で販売できるようにするかは、今後、関係当局で協議することとなる」と説明がありました。 坂口厚労大臣は、医薬品のままでの一般小売店での販売には断固反対であり、そのような緩和を行うつもりはない。 また、副作用のないもので医薬部外品としてよいものがあるか、検討することとしている」としています。 今後、どのような形で、骨太2003の考え方が検討されて行くのか、見守って行きたいと思います。 (国際麻薬統制サミット) 5月26日、27日の両日、スウェーデン・ストックホルムのクラリオンホテルで、第6回国際麻薬統制サミットが開催され、出席して来ました。 麻薬サミットは、昨年4月、東京で開催され、アジア各国、米欧などから180人もの出席者がありました。 今年は北欧スウェーデンでの開催であったため、欧州諸国が中心の会合となり、アジアからの出席は我が国だけでした。 出席国は、デンマーク、エクアドル、エストニア、フィンランド、ドイツ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、オランダ、ノルウェイ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア。 ロシア、スロベニア、スウェーデン、イギリス、米国、EU、EMCDDA(欧州薬物監視センター)、UNODC、そして日本の19カ国、50人が参加しました。 会議は、スウェーデンのシルビア王妃の挨拶をもって開会され、次の7つのセッションで行われました。 第1日第1セッション同等のパートナーとしての若年者第2セッションパターンと広がり第3セッション脆弱性:危険性と保護要因第4セッション生活スタイル問題としての薬物乱用第2日第1セッション若年者の薬物乱用防止の実践例第2セッション薬物乱用の防止と対応における教育制度の役割第3セッション若年者の中毒治療における特別の必要性薬物乱用は、我が国では、覚せい剤が中心ですが、ヨーロッパでは、大麻、ヘロイン、コカイン、アンフェタミン等の従来の薬物の他、エクスタシーと呼ばれるMDMA(メチレン-ジオキシ-メタンフェタミン) という覚せい剤類似薬物が、青少年の間でファッション感覚で乱用され、問題となっているようです。 そこで、今回の麻薬サミットは、「若年者の薬物乱用防止と治療」にフォーカスを当てた会議となりました。 私からは、第2セッションの「パターンと広がり」の中で、日本における薬物乱用の動向と青少年に対する予防啓発活動、取締の現状等について紹介しました。 会議では、大麻類をソフトドラッグとして一定の基準を満たしている店(CoffeeShop) での使用を認めるという寛容政策を取P |
6月21日:17797:医薬品 医薬品を安全に使用するために(薬剤に関わる病院のリスクマネジメントにもっと病院薬剤師の活用を) 昨年、病院における患者の取違え事故等医療過誤に関する報道が相次ぎ、そのような医療過誤による事故を如何にして防ぐかが大きな問題となりました。 平成11年度、厚生労働省の研究班が「医療のリスクマネジメント構築に関する研究」を行い、特に看護職の方々が過去に体験した医療事故につながりかねなかった事例(インシデント事例)について調査、分析を行ないました。 同調査によると、それらインシデント事例(いわゆる「ヒヤリ・ハット事例」)のうち、医薬品に関わるものが、経口剤に関する事例1438件、注射薬に関する事例3496件あり、全体の44.3%を占めていたと報告されています。 今日、国民医療費は約30兆円に達していますが、そのうち、薬剤費は約25%を占めています。 それは、医療費という財政面でウェイトが大きいというだけでなく、医療そのものにおけるに医薬品の役割が如何に大きいかをも示しています。 そして、それだけ薬剤に係わる医療過誤事例も発生する確率が高くなると考えなければなりません。 すなわち、薬剤の取扱い、管理のあり方は、医療そのものに大きな影響を与えるのは当然であり、適正な取扱、管理が行なわれているのか、社会的な関心が集まったのもまた当然のことといえましょう。 さて、医療機関における薬剤の取扱い、管理には、医師、薬剤師、看護婦等の医療職種が係わっています。 上述のインシデント事例を調査した杏林大学保健学部の川村治子教授は、特に、注射による事故の発生を防止するため、注射業務のプロセスのシステム化が必要であり、そのためには医療職種のチームプレー体制の強化が必要であることを指摘をされています。 関係医療職種によるリスクマネジメントシステムの構築はまさに緊要の課題でありましょう。 特に、私は薬剤に関わる医療過誤事例の防止に、もっと医薬品の専門家である薬剤師を活用すべきであると考えています。 病院における薬剤師は、入院患者、外来患者に対する医師の処方せんに基づく調剤に従事してきました。 しかし、近年、病院薬剤師が、処方調剤だけでなく、入院患者に対する服薬指導や情報提供等の業務に携わることが増えてきています。 こうした業務は臨床薬剤業務とか病棟薬剤業務と呼ばれており、薬剤師が、入院患者さんの枕元で薬剤の服用の仕方や注意事項を説明したり、副作用等に関する患者さんの不安等の相談にのる等の業務を行っています。 特に最近は、医薬分業が進んできたこともあつて、外来患者に対する調剤業務が軽減されてきたことから、これら業務に携わる病院薬剤師は急速に増え、重要な業務となってきています。 私は、このような臨床薬剤師業務に加え、病棟での薬剤の取扱管理に薬剤の専門家である薬剤師をもっと活用すべきであると考えます。 上述の「ヒヤリ・ハット事例」の内容をみますと、類似した薬剤の名称の混同、薬剤規格(含量)の取り違い、投与量の計算ミス等が少なくないことを考えますと、薬剤師による管理体制をもっと強化すべきでないでしょうか。 本年始め、東北のあるクリニックで、筋弛緩剤を用いた痛ましい事件が発覚しましたが、同クリニックの薬剤の保管管理の杜撰さ、特に、そのクリニックには薬剤師がおらず、薬剤の管理責任者がいなかったことが指摘されました。 医療機関における薬剤師の配置基準は、医療法によって定められています。 同法によれば、医師が3人以下の病院、診療所は薬剤師を配置しなくてもよい、こととされています。 また、一般病院では、「入院患者70人に薬剤師一人+処方せん枚数75枚に薬剤師一人」という基準になっています。 病院の一病棟は、患者50人が基本といわれていますから、患者70人に一人とは、1.5病棟に薬剤師一人いればよい、という基準になっているのです。 さらに、精神病院や療養病床等の長期入院施設では、入院患者150人に薬剤師一人となっています。 平成9年に薬剤師法が改正され、「薬剤師は、調剤に際し、医薬品の適正な使用に必要な情報を患者に提供しなければならない」と規定されました。 この規定は、病院の入院患者に対する調剤に対しても当然適用されるはずです。 しかし、70人に一人あるいは150人に1人の薬剤師で、一体、十分な情報提供ができるのでしょうか。 精神科で使用される薬剤はトランキライザ−等副作用の多い薬剤です。 そのような病院の薬剤師の人数が一般病院の半分でよいというのはなぜでしょうか。 薬剤に関わる医療過誤の防止に薬剤師を参加させようとしても、70人に一人で可能なのでしょうか。 毒薬や劇薬の管理等の強化ができるのでしょうか。 国民医療費の25%近くを薬剤が占め、特に外来では薬剤費が40%近くを占めているにも拘らず、医師数が3人以下であれば薬剤師がいなくてもよいという基準に問題はないのでしょうか。 私は、医薬品の安全生の確保のためには、医薬分業の推進と、病院における薬剤師の機能強化と活用が絶対に必要であると考えます。 医薬品を安心して使用するために(医薬分業ってなに?) 最近、病院や診療所で、患者さんに処方せんを発行するところが急速に増えています。 患者さんは、この処方せんをもって町の薬局でお薬の交付を受けることになりますが、御承知のようにこのようなやり方を、「医薬分業」といいます。 医薬分業は、今から700年ほど前に神聖ローマ帝国のフリードリヒU世によって法制度化されたと伝えられています。 ヨーロッパ諸国では、医薬分業は700年以上もの歴史を持っ医療制度です。 日本に医薬分業が紹介されたのは明治維新の直後のことです。 当時の明治政府は、西欧文明諸国に一刻でも早く追いつくために、先進諸国の進んだ政治、社会、経済等に関する制度を日本に取り入れようと努めました。 その一環として、明治政府は明治元年3月、西洋の医術の採用を、また明治2年にはドイツ医学の採用を公に決めました。 そして、西欧の「医師制度」を採用することになり、明治4年、ドイツの医学や医療制度を教えてもらうためにドイツ人医師レポルト・ミュルレルを招いたのですが、彼は次のような趣旨の建白書を明治政府に提出しました。 「我々は、ドイツの医学を伝授するために貴国の招聘に応じたものである。 しかるに、日本においては医師が同時に薬剤を調合して授P |
6月28日:2823:公益法人改革についてのPT座長談話2003/06/27 2003年6月27日戻る/2003目次/前へ。 次へ 「公益法人制度の抜本的改革に関する基本方針」の閣議決定について(談話)民主党『次の内閣』行政改革担当大臣市民・子ども政策担当大臣NPO・公益法人改革PT座長中川正春石毛^子江田五月 本日閣議決定された「公益法人制度の抜本的改革に関する基本方針」は、本来は昨年度中にまとめる予定のものが、主として課税のあり方についての政府・与党内の議論が錯綜、混迷し、決定が遅れたものである。 ところがその決定内容は、非営利法人制度の創設を決めただけで、遅れの原因となった課税のあり方については、原則課税のねらいを巧妙に隠し、決定を先送りしている。 小泉内閣が、いつもの決定先送りにもうひとつ事例を重ね、その上、ねらいを隠す手法を採ったことに、失望を通り越して怒りを禁じえない。 公益法人改革については、民主党は今月18日、改革の基本方針を発表した。 その内容は、残余財産非分配法人につき、準則主義により簡便に設立できる非営利法人制度を創設し、法人税は原則非課税とし、主務官庁制を廃止し、税制優遇措置についても適用基準を明確にし、行政裁量の余地を極力排除している。 その基本理念は、市民の自主性・自立性を基本に、民間活動を官が事前に規制する(官−民規制) 社会から、政府に頼らず市民がお互いに支えあう(民−民評価)社会への変革を実現することであり、民主党案の実現がそうした社会変革の起爆剤になると考える。 もともと今回の公益法人改革は、行政委託型法人の経理や人事が極めて不透明で、国民の納得を得られていないことに鑑み、これを改めることに端を発している。 民主党はこの点を重視し、先に発表した基本方針の実現や収益事業課税の適正化を通じ、必ず税金の無駄使いや官僚の天下りをはじめとした悪弊を根絶する決意である。 政府・与党が、今回の基本方針を隠れみのにして、この改革にふたをすることのないよう、監視を強める。 さらに民主党は、パブリックコメントなどを通じて広く国民のご意見を求め、よりよい公益法人制度改革や民間非営利セクターのあるべき姿について、国民と共に考え方をまとめ、これを実現していく決意である。 以上 2003/06/27戻る/2003目次/前へ。 次へ P |
6月27日:4886:「イラク特別措置法案」及び「テロ対策特別措置法案」の論点2003/06/25 2003年6月25日戻る/イラク目次 「イラク特別措置法案」及び「テロ対策特別措置法案」の論点民主党イラク問題等PTIイラク復興支援特別措置法案について1基本認識*対象となるイラク国民にとっての必要性を考慮すれば、本来どういう支援をすべきか。 *日米関係の視点から、イラクの治安維持を担う米軍等に対して、どう考えるか。 *中・長期的視点に立った際、わが国の対イラク・中東政策上の国益をどう考えるか。 *支出される予算規模・費目等をどう考えるか。 *現下の近隣の国際情勢との関係をどう見るか。 2政府案(1)目的(第1条)○安保理決議678、687、1441等に基づくイラク攻撃を受け、安保理決議1483号等を踏まえた支援活動。 *安保理決議678、687、1441を、イラク攻撃の根拠として法目的に含むことの是非*イラクへの制裁解除を内容とする安保理決議1483号を自衛隊派遣の根拠とすることの是非(2)基本原則(第2条)○対応措置の実施は、戦闘行為が行われていない地域に限定(3項関係)。 【関連:テロ特措法第2条3項】*「戦闘地域と非戦闘地域」、「戦闘員と非戦闘員」の峻別、海外での武力行使、武力行使との一体化の関係○受入国の同意に代わって、安保理決議等に従って施政を行う機関(CPA)の同意を要件(3項1号)*連合国暫定統治機構(CPA)が自衛隊派遣に与えるとされる同意の意味及び占領行政との関係*PKO法の活用及び改正の是非(3)対応措置(第3条、第1条、第7条)○人道復興支援活動*「イラク復興支援職員」の位置付け、安全性確保は十分か。 ○大量破壊兵器処理支援活動:→削除*削除となった経過・理由*情報操作の可能性に関する米英での議論と政府の武力攻撃支持表明との整合性○安全確保支援活動:武器・弾薬の提供、発進準備中の航空機に対する給油・整備は行わない。 関連:テロ特措法では、第3条2項、別表第二によって、陸上輸送を認めない。 *武器・弾薬の陸上輸送を認めることの妥当性(4)国会の関与(第4条・5条・6条)○自衛隊派遣には、部隊規模や派遣期間等を定めた「基本計画」を閣議決定。 「基本計画」の中の自衛隊が実施する「対応措置」に対して、防衛庁長官の派遣命令から20日以内に国会付議、「事後承認」。 *対応措置の実施:事後承認か事前承認か(テロ特措法で議論)。 *「国会の議決による撤退」規定の是非(事態法で修正)。 *「国民に対する情報提供義務」規定の是非(事態法で修正)。 (5)武器使用基準(第17条関係)○武器使用基準の緩和は行わず、正当防衛・緊急避難、上官命令、自己の管理下等、PKO法に準拠。 *現行の武器使用基準と当該危険地域での自衛隊の任務*法改正によらず、部隊行動基準(ROE)の変更で、武器使用基準を定めることの是非(6)法形式(附則第2条関係)○時限立法:施行から4年を経過した日に失効。 cf;テロ特措法は2年*期限の妥当性IIテロ対策特別措置法案について1基本認識*日米関係の視点から、アフガニスタンで作戦行動中の米軍及び各国の行動をどう考えるか。 *支出される予算規模・費目等をどう考えるか。 *支援活動と現下の近隣の国際情勢との関係をどう見るか。 2政府案(1)目的(第1条・第3条)○911のテロ攻撃を受け、安保理決議1368号等に基づく協力支援活動、捜索救助活動、被災民救援活動。 *米・国防長官によるアフガニスタンでの戦闘終結宣言との整合性及び現地のニーズ(2)国会の関与(第3条2項、別表第二)○自衛隊派遣には、部隊規模や派遣期間等を定めた「基本計画」を閣議決定。 「基本計画」の中の自衛隊が実施する「対応措置」に対して、防衛庁長官の派遣命令から20日以内に国会付議、「事後承認」。 *対応措置の実施:事後承認か事前承認か(テロ特措法で議論)。 *「国会の議決による撤退」規定の是非(事態法で修正)。 *「国民に対する情報提供義務」規定の是非(事態法で修正)。 *現地情勢と基本計画変更の余地、及びテロ終結の判断権者及び判断基準(3)法形式(附則第4号)○時限立法:施行から2年を経過した日に失効するが、別法により、2年以内の再延長可。 *期限の妥当性及び本年11月の期限と会期制との関係<経緯>○対応措置の事前承認に関する修正要求が認められず、法案には反対したが、法案成立後、政府は、「基本計画」を閣議決定後、これに基づき「対応措置」を開始、国会に対して承認を求めた。 ○民主党は、当該テロが新たな脅威であり、国際協調の枠組みで、自衛隊の活用も含めた新たな対応が必要との認識で、政府の「対応措置」は派遣期間・活動範囲等が妥当なものと判断し、承認に賛成した。 ○2002年5月、11月に期間を延長、12月、イージス艦の派遣を決定。 必要性、憲法・法律上の疑義、イラク問題等との関係、現地での運用の問題点、国会での説明、派遣決定の手続き等を総合的に判断し、シビリアン・コントロールの観点から反対。 2003年5月に再延長、来る11月に法律の期限が到来。 2003/06/25戻る/イラク目次 P |
6月29日:4936:私の視点 「高級メニューは並んでいるが・・・」経済財政諮問会議がまとめた「経済・財政運営の基本方針」は、閣議決定され政府全体として取り組む政策に位置付けられた。 全体から受ける印象は、「高級料理が並ぶメニューを見ていろいろ注文したが、料理の中身や出てくる順番がまったくわからない」といったところだろうか。 確かに、メニューとしては、過去に与党や省庁に骨抜きにされてきた多くの重たい課題が盛り込まれた。 しかし、問題は、それらが総花的に並べられているだけで、具体性に乏しい項目が多く、優先順位や目標値が示されている項目もわずかなことだ。 実際、決定過程で、道路特定財源、医療制度改革、国と地方の財政改革などは、族議員や省庁の抵抗で内容があいまいになった。 参院選後に本格化する来年度予算編成の過程で、これら抵抗勢力の動きが再び活発化することは確実であり、まさにこれからが正念場である。 すでに、自民党内からは「来年度予算の編成は、この基本方針には縛られない」とか、「法律を成立させる権限を持つ我々に十分相談せずに決めたのは問題」との声もあがっている。 また、今後この基本方針に沿った政策立案を進めなければならない各省庁も、省益に反する政策の具体化を迫られれば激しく抵抗することは確実である。 個々の中身についても指摘したいことはたくさんあるが、ここでは道路特定財源の見直し問題を取り上げたい。 見直しにあたっての大原則は、納税者である自動車ユーザーの理解と納得である。 納税者の意見は、日本自動車連盟(JAF)が6月上旬に実施したアンケートに端的に表れている。 自動車関係諸税は「複雑で分かりにくい」「高い」と、大きな不満をもっている人が8割を超え、また、道路特定財源制度は否定しないが「道路整備は十分であり減税すべき」という意見が5割を超えている。 さらに、財源を「道路整備以外に広く使ってもいい」という一般財源化容認派はわずか1割しかいない。 これが納税者の正直な気持ちである。 「基本方針」では、『道路等の特定財源について税収の使途を特定することは財政の硬直化を招くことから、そのあり方を見直す』としているだけで、具体的な中身には全く触れていないが、同じ「基本方針」の中で、税制改革については、『公平・中立・簡素を税制改革の指針としなければならない』と明記している。 小泉首相も、「(一般財源化は)来年度は無理。 (暫定税率の)減税の話もあるので議論して決めないと。 議論する前に全部一般財源化というのは無理だ」と述べている。 「基本方針」や首相の発言を素直に解釈すれば、複雑で過重な自動車関係諸税の見直しと道路特定財源制度の見直しは当然セットで議論されなければおかしい。 その他の項目についても、早急に具体的内容を国民に提示する必要があるが、どうも、具体論は参院選後に先送りされるようである。 このような不完全な「基本方針」が、参院選で宣伝ペーパーに使われ、似非改革派(抵抗勢力)の勢力が拡大してしまうという結果だけは避けたいものだ。 日刊自動車新聞「直さんの永田町Wクリック」(7月7日掲載) P |
6月24日:4792:国会通信No.583 国会通信No.583【離党10年】2003/6/23(マンデーレポート583の要旨) 【離党10年】【先週の主な活動】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【離党10年】●1993年の6月18日、衆議院本会議場で宮澤内閣の不信任案が可決成立した。 内閣不信任案の採決は、院の議決の中でもとりわけ重要な意味をもつ。 そのために記名投票で行なわれるのが通例である。 採決に際し、自民党で真っ先に造反の賛成票を投じたのは私だった。 そしてその1時間後に離党の記者会見に臨んだ。 緊張と昂揚の1日は忘れられない。 ●そしてその3日後の21日、自民党を離党した10人の仲間で新党さきがけを結成した。 それに続いて小沢グループも離党、新生党を結成、そして日本新党のブームともあいまって、細川連立政権の誕生になだれを打っていく。 93年のドラマは、20世紀最後の政治史のなかでも白眉と言えよう。 ●あれから10年。 日本の政治は進展しただろうか。 私自身、政権交代可能な二大政党制の確立をめざしてたゆまぬ努力をしてきたつもりではある。 しかし、細川政権が8ヶ月の短命で終わり、その後の村山政権では、自民党は政権の座に復活、そして橋本政権以来、自民党は政権の座に居続けている。 ●私自身は、新党さきがけ、民主党と、二大政党の枠組み作りに全力をあげてきた。 しかし、民主党に対する期待も低下し、昨今は、日本では二大政党は無理なのではないか、とか、保守二党の枠組みのほうがわが国にふさわしいとか、そんな議論も強くなっている。 ●しかし、政権交代の緊張感のないところで、最終的に実権を握るのは、実は議員のように見えて議員ではない。 緊張感のないところで、実権を強化するのは、官僚である。 ●議員は否応なく選挙の洗礼を受ける。 しかし、官僚には選挙がない。 大臣は変わっても官僚組織は存続する。 長期政権は、このような官僚の権限を持続的に拡大する。 ●官僚が下準備し、根回しをし、概要が決まったあと大臣は事後了承する。 そんな繰り返しが今もって続いている。 現在の日本の停滞の最大の原因は、緊張感なき政権与党と、既得権維持と慣例踏襲に凝り固まった官僚組織にあるのだ。 ●この日本の長期停滞を打破するための最大の特効薬は政権交代でしかない。 ●民主党をめぐる環境は厳しいものがある。 例えば、先の統一地方選挙の総括で、「民主党の公認や推薦をもらってもメリットがほとんどなかった」という率直な声があった。 ●この声に答えるためにも、民主党は、地方政治に対する政策面や活動面でのさらなる充実を図るべきであろう。 ●また、選挙対策上の看板書き換え等の、安易な新党論や合流論は避けるべきである。 権力の冬に絶えることによってはじめて自力はついてくるはずだ。 ●そしてそれと同時に「民主党が何をしてくれるか」よりも、「民主党のためになにがなしうるか」といった観点も大切である。 ●まだまだ日本の政治は未成熟である。 新たな政治の枠組みを主体的に創造して行く。 そのための試行錯誤は今後とも持続しなければならない。 そんな観点にたって今後とも努力を継続すべきである。 ●明日23日夕刻、都内で「新党さきがけ10年の集い」が開催される。 新党さきがけの最初の10人の現在をまとめると3人が政治の世界を離れ、自民党に復党した者4名、民主党にいる者3名となっている。 離党後私を含む落選の苦杯をなめたものも多数あり、それぞれが重い政治経験を積んできたのは間違いない。 久しぶりに一同に会しどんな話が出るか楽しみである。 【先週の主な活動】■6月16日(月)16:30議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ17:00議運理事会17:10議運委員会17:30本会議18:30国会コーラス愛好会練習会20:20議運理事会■6月17日(火)08:00第582回マンデーレポート09:30法律相談10:00朝日新聞取材12:00常任役員会13:00住友電工・福富顧問来訪16:00議員総会17:15議運理事会★上野官房副長官がイラク関連二法案を先週の金曜日に閣議決定、同日衆議院に提出した旨報告。 ★これは異例の措置。 通常法案は閣議決定の前に衆参両院の議運理事会で事前の説明が行なわれている。 その慣行を政府が破る形となった。 ★席上、官房副長官に対し以下の3点を述べた。 @事前報告が怠られたことについて厳重に抗議する。 Aそうなったことの原因は、同法案についての政府与党の意思疎通を欠いた結果であることを確認したい。 B参議院の野党は会期延長なしと言う前提で審議に協力してきた。 その信頼関係の前提が政府与党によって破壊されたのだから、今後の審議についての対応は従来のようにはいかなくなる。 この点ご承知おきを。 ■6月18日(水)12:00議運理事会★衆議院の議運委員会で40日間の会期延長決定。 その報告を聴取。 12:25議運理事会★参議院では会期延長のための本会議を開くかどうか協議。 会期延長反対の立場から、延長のための本会議を開く必要なしと主張。 他の野党も同趣旨。 結論は不開催に。 ■6月19日(木)15:30岡田幹事長、堀込先生との面談★次期衆議院選挙についての栃木の状況について協議。 16:15下野新聞河又記者取材16:45内閣官房徳地参事官レクイラク新法、テロ特措法18:30国会コーラス愛好会総会■6月20日(金)16:00矢野外務副大臣が挨拶。 ★外務大臣の海外渡航延期の件。 議運では19日までと承認していたのを、渡航後に最初は20日、その次には22日と、2度に渡って一方的に延期してきた。 議会軽視も甚だしい。 帰国後議運の理事会できちんと論議すると申し上げた。 18:30福田浩司と語る会(総合選対解散式)■6月21日(土)17:30宇都宮高校同窓会18:00宇都宮ライオンズクラブ最終移動例会18:30飛翔会幹事会19:30飛翔会懇親会■6月22日(日)13:30全逓栃木地区退職者組合第32回定期総会P |
6月28日:3489:イラク派兵法反対緊急院内集会緒方国際局長の報告(要旨) イラク派兵法反対緊急院内集会緒方国際局長の報告(要旨)24日に開かれた「イラク派兵法に異議あり!市民と国会議員の緊急院内集会」で、イラク問題日本共産党調査団の団長を務めた緒方靖夫国際局長(参院議員)のイラク調査報告(要旨)は次の通りです。 13日から21日までの訪問でしたが、イラクに入ったのは、15日から19日までの3日間で、入るまでが長い旅でした。 米軍がイラクに対して掃討作戦をしている地域をコンボイ(車列)を組んで移動するなど危険を伴う旅でした。 現地では国連開発計画(UNDP)、世界食糧計画、(WFP)、ユニセフ(国連児童基金)、国際赤十字の国際諸機関をはじめ、NGO団体、米英占領軍当局、フランス、ドイツなど現地代理大使と会いました。 また、南東部200キロのクート、西部に100キロのヒッラという街も訪問しました。 国連関係者は、「いまイラクの人たちの心の再建が必要だ」といっていまっした。 フセイン礼賛の教育を受けてきた国民の大半は、フセイン政権打倒でそれまでの価値観が否定される。 自分たちの国が占領されている違和感、不満が非常に大きくなっています。 フセイン時代にあった国民と政権との遊離は、いま占領軍との間の大きな距離になっています。 国民の不満が高まり、それを利用して一部勢力が米軍への攻撃を強める。 それに米軍が掃討作戦をやる。 それに対するイラク国民の抵抗が強まる。 その悪循環がどんどん拡大していく気配です。 イラク国民、国連、支援団体が一番にあげる問題は治安です。 国連の機関も「危なくて支援が行き届かない」と述べていました。 停電はしょっちゅうで、停電になるだけで治安が危ない状況です。 イラクに対する経済制裁措置が解除されたことで、制裁下で長い間機能してきたイラク国民への食糧支援が10月で終わります。 イラクでは国民の6割がその支援を受けています。 それが途絶えたろきどうなるか。 国連も国民も共通して心配しています。 占領軍当局と話して明確になったのは、戦争にいかに勝つかを計画的・ち密に立てたが、戦争後占領してイラクをどう統治すればいいのか、まともな計画がないことでした。 アメリカがイラクの子どもたちの教科書をつくることまでまかり通ろうとしています。 「こんなことをやったら内乱がおこる」と国連の代表は怒りをぶちまけていました。 アメリカの「民主化」が何を意味するかをみてとれる状況でした。 占領軍当局は「イラク全土が軍事作戦の対象だ」と明言し、支援物資を届けている国際赤十字関係者は「危険なところ、安全なところが刻々と変わるのが特徴だ。 イラクに安全なところはない」といっていました。 ここに自衛隊を派遣したらどうなるか明白です。 憎悪の的になっている米軍支援のためですから。 ある大使館の人は「日本はイラクではこれまでいい評価をとってきた」といいながら、「自衛隊が派遣されたら、それが総崩れになる」といっていました。 そして「自衛隊派遣は国連やNGOの支援のじゃまになる。 やめてほしい」と述べていました。 国連中心の支援はNGOを通して直接国民におこなわれるので、国民との間に垣根をつくらないのです。 そしてイラク人には能力、人的資源が十分にあり、その組織化の支援をするだけで十分にやっていけるちからがあるので、「背中をひと押ししてあげる支援」が重要という言葉は印象に残りました。 イラクの現実と人々の心情に合致した支援を大きくしていくことこそ肝心です。 イラクへの自衛隊派遣は不必要なばかりか、有害だと確信しました。 (しんぶん赤旗2003年6月25日)緒方靖夫HOMEへサイト検索P |
6月23日:6411:遠山清彦(参議院議員)デイリーメッセージ0623 2003年6月23日デイリーメッセージ ■外国人学校卒業生の大学入学資格問題について みなさん、こんにちは。 暑くなってくると必ずやってしまうのが、冷房のつけすぎによる体調不良です。 私もこの週末に早速失敗し、鼻水が止まらず困りました。 なおすために薬を飲むと、今度は眠くなるという新たな問題も。 みなさんも、気をつけてください。 さて、先週土曜日、私は八王子市の東京都立大学講堂で開催された学生シンポジウムに参加しました。 テーマは、外国人学校卒業生の大学入学資格についてです。 パネリストで参加したのは、私と在日外国人問題の権威である龍谷大学の田中宏教授でした。 この問題がクローズアップされたのは、今年3月上旬。 文部科学省が、高校段階をもつ外国人学校のうち、欧米系インターナショナルスクールの16校のみの卒業生に大学入学資格を与える方針を発表したときでした。 この政府方針に対しては、世論・マスコミも大反発し、また公明党も迅速に文部科学省に抗議し、現在方針は凍結され再検討されています(3月7日から27日の間行われたパブリックコメントでは、政府に対し13,343通の意見が寄せられましたが、そのうち実に約96%の12,779が、「アジア系の外国人学校卒業生にも大学入学資格を付与すべき」との意見でした)。 問題点は何だったのでしょうか?まず、第1に、日本にある外国人学校は欧米系よりもアジア系(特に朝鮮学校)が圧倒的に多いのに、後者からは1校も選定されなかったことがあります。 第2に、これは第1の問題の原因でもありますが、文部科学省が大学入学資格を与えるかどうか判断する基準として、欧米の3つの評価機関から認定されているか否かを採用したことです。 その3つの機関とは、(1) 米国のWASC(西部地区基準協会)、(2) 米国のACSI(国際クリスチャンスクール協会)、(3) 英国のECIS(インターナショナルスクール欧州協議会)、です。 私はこの3つの機関の信頼性を疑うものではありませんが、欧米系の評価機関の基準だけを採用した時点でアジア系の外国人学校が排除されてしまうのは自明のことであり、そうなると検討する当初から政府はアジア系民族学校を排除しようという意図があったと疑われても仕方がありません。 第3の問題点は、日本の外国人学校卒業生(現在は大検を合格しないと卒業だけでは日本の大学、特に国立大学を受験することができない。 ちなみに、私立・公立大学の約半数は、外国人卒業生の受験・入学資格を認めている)と、帰国子女や海外からの留学生への待遇に大きな差ができてしまうということです。 そして最後に、第4の問題点は、日本の国立大学でも大学院レベルでは受験資格がすでに認められているのに、学部レベルではだめだというのは、整合性がないということです。 これだけ問題点がある方針を発表した文部科学省は、現在アジア系の学校卒業生も含む形で再検討しているようですが、早く結論を出してほしいと思います。 私自身がこの問題で考えていることは、次の3点です。 (1) 外国人学校卒業生も、大学入学資格が付与されても、無条件で大学入学できるわけではなく、他の学生と同じように入学試験に合格しなければならない。 その観点に立てば、出身学校で最初から差別するのではなく、入試に挑戦する資格は原則的にすべての外国人学校に与えてもいいのではないか。 (2) 今回の政府方針の判断基準が、欧米の評価機関の基準のみに依存していることはやはり公正さを欠く。 評価機関を選定した段階で、欧米系学校に有利になるのは当然だ。 もし、学校教育の中身を判断しなければならないのであれば、少なくとも日本政府独自の認定基準を決めるべきだ。 (3) 私立や公立大学の半数以上は、すでに現行法(学校教育法の施行規則第69条:「(大学受験資格者について)相当の年齢に達し、高校を卒業した者と同等以上の学力があると(大学が)認めた者」)の根拠で、外国人学校卒業生に受験資格を認めている。 国立大学は2004年に独立行政法人化する。 また、2009年には、少子化のため、全入時代がやってくる。 この文脈で考えれば、国立大学を含めて各大学の自主判断にまかせてもいいのではないか。 ちなみに、この問題で公明党内で戦ってきたのは、衆議院議員の斉藤鉄夫さんと赤羽一嘉さんです。 彼らのHPにも、関連情報がありますので、ご参照ください。 なお、シンポジウムの会場の都立大学講堂は、空調がきかず、大変蒸し暑い会場でした。 にもかかわらず若者が大勢集まり、長時間にわたって熱心に私たちの話を聴いてくれた姿に感動いたしました。 大変有意義で私も勉強になりました。 やはり青年がこういう問題に関心を持っていかないと社会の変革はなかなか良い方向に向かないと改めて思いました。 参加者のみなさん、ありがとうございました。 Copyright(C) 2001-2003ToyamaKiyohikoOffice,Allrightsreserved. P |