>ロボットで戦争を行なうには、開発に大きな開発資金が必要となります。 >当然、ロボット技術力の低開発国がロボット技術で拮抗する事に、 >既にロボットを持つ大国は快く思わないでしょう。 >そして、 >ロボットが当該目的域を制圧してもそれで、戦争は集結せず、 >やはり、人間が乗り込んで制圧完成となるでしょう。 > >既に、お分かりのように、ロボットをミサイルと読み替えて、上の文章を >読めば、今の戦争と何ら変わらないのです。 >したがって、ロボット戦争 >で人類が愚かさに気が付く事はないでしょう。
私も上記の宮本さんの意見に賛同です。 私が以前書いた物で、この話とはまるで関係ない主題のレポートなのですが、その中でロボットオンリーの軍隊はナンゼンスという事を説明した箇所があるので、それを抜粋して紹介します。
自分で考え、自分で判断し、自分で行動する兵器。
人間が死ぬことなく安全に戦争が出来る。 しかも人間の兵士のように不平不満を言うでなし、壊れない限りは同じ力を出し続け、常に油断することなく人間のセンサー(五感)より遥かに優れたセンサーで周辺を監視し、躊躇なく命令を実行出来る。 こうして並べ立てると、まさに理想的な兵士のようだ。 しかしこの兵器にはたった一つの巨大な、そして深刻な問題がある。 そしてそれを完全に解決できない限り、これも実現する事は無いと断言出来る。
その問題とは、軍の最小単位である「兵士」を「規格品」にする事による問題である。 規格品とは文字通り、一定の能力を与えられると言う事になる。
これは単純作業の多い工場では役に立つ。 故障しない限り均一の性能でミスなく作業が出来るという事は工場などの作業には理想的とも言える訳だし、事実現在でも多くが稼働している。 しかし軍の兵士にするのはあまりに大きな危険をはらんでしまう。 つまり、規格品であるための均一な性能そのものが弱点となってしまうからである。 つまり弱点もすべて共通になってしまうという事だ。 これは人間にしても、同じことは言える訳だが、ただ一点、決定的な違いが両者を違う者にしている。
つまり敵も人間だと言うことだ。
敵対する二つの勢力が人間で構成されてる以上、相手側の人間に決定的なダメージを与えるような兵器(核兵器や、BC兵器)は、報復される恐れがある限りその使用を躊躇させる事が出来る。 しかし、人間と別物である規格品のロボット相手に、その使用を躊躇う人間はいないだろう。
自分の陣営のロボットは当然、相手勢力とは違う規格のロボットなわけだからまったく問題が無い(どちらのロボットにも致命的なダメージを与えるような兵器も当然あるだろうが、それを実際に使う奴は、ゲリラか過激派になるだろう)。 電子的に動くロボットなら、その電子部品がその弱点となる可能性が高くなる訳だが、人間に対する影響が少ない可能性が高い。
ではロボット兵器は絶対に実現しないのか? そんな事はない。 現在アメリカを初めとしてロボット兵器の開発は進んでいる。 しかしそれ等の完全な無人兵器はサポート的な役割しかこなす事は無い。
進化が進み人間と変わらないか、それ以上の判断能力、敏捷性を持つ物が開発されたとしても、偵察、一部特殊任務(後方撹乱、サボタージュ、破壊工作、暗殺等の特殊部隊の活動)や、医療、整備、パトロールに限られてくるだろう。 特殊任務にしても、人間の特殊部隊に中に数機混ぜる、ハイローミックスの形にしておかないと問題が多い。
それは何故か?
作戦が失敗した時、万が一敵に拿捕されたら頭の中身を機械的に覗かれてしまう可能性と、当然その人型兵器はその国の最先端の技術と性能を持った兵器になる訳だろうが、100%稼動してくれる自爆装置でもないとそのまま技術力を盗まれてしまう可能性があるからである。
以上の問題を解決するには、バイオタイプのサイボーグを開発するしかなくなるわけだが、人間と同じだけの判断能力を与えるのは大きなジレンマが生まれる。 電子的な要素を可能な限り無くし、生体パーツで構成され、人間並みかそれ以上の判断能力を持ち、人間以上の身体能力を持つ。 そして当然命令には絶対服従。
以上が条件となるのだろうが・・・・では絶対服従を保証するのは何か?
ロボットやサイボーグ、人造人間と呼ばれる物はSFの世界には昔から存在するが、その多くは反乱の危険性を持っている物として扱われている。 しかしこれは只の物語なのだろうか? 電子的な安全装置を付けるのがもっとも確実だが、それだと機会兵士と変わらない上記の理由で危険が伴う。
教育?人間以上の判断能力を持つ相手に??
じゃあ人間以下にすれば・・・・・兵器としての価値がないだろう。 猿やチンパンジーを兵器にするだけでも恐ろしい存在となるが、やはり知能が低いと言う事はその行動は人間に予測されてしまう。
では指揮官を人間にすれば?
今度は指揮官と敵との区別をどう付けるか?機械的や音などで操作する事も出来るだろうが、鉄人28号じゃないがそれらの手段を奪われたら、次の瞬間その兵士は敵になる。 顔を覚えるという方法もあるだろうが、指揮官が死んだ場合。 指揮官を入れ替える場合。 その手段は?それが容易に出来るようでは敵に真似されたら終わりだ。 DNAの認識など余程の工夫が必要となってきてしまう。
思考回路に、絶対服従を刷り込むという設定をよく見かけるが、大量生産すればバグは出てくるし、人間以上に判断能力がある存在が何かの拍子にそれを外そうとすれば、必ず突破されてしまうと言える。 そんな事はない!!必ず方法があるはずだ!!と言う人もいるだろう。 確かに何れは出来るかもしれない。 しかしそうしてセキュリティー体制が万全なコンピューターに入り込むハッカー達はその時代になってもやはり出てくるだろう。 そんなハッカーのいたずらで人間以上の能力を持った兵士が反乱を起こした時の惨状は、想像するまでもなく悲惨な物になるだろう。
某映画の台詞じゃないが「スタンドアローンで、制御不能な兵器など使い物にならない」という事だ。
もちろん人間の兵士でも裏切る事はある。 それに現在使っている様々な兵器も敵に奪われればそのまま敵の火力になる。 しかし人間や、物を考えない道具が人間を裏切る事は仕方のない事といえる。 (当事者としてはたまった物じゃないが)しかし、それ以外の知性体の裏切りは許されない。
何故か?
それは一言で言うなら、人間が生物であるという事だと思う。 人間が権力者を裏切り成り代わる事は所詮人間同士のいざこざであり、誰がトップになろうと人間社会が形を変え続く事になる。 しかし人間以外が社会のトップになるという事は、それは「種の存続」という生物の根幹が脅かされる事に繋がる。 こんな事を人間が本能的に許す事ではないという事だ。
また権力者は「軍事」という力を常に自分のコントロール下に置こうとする物だ、これは当然だろう。
そんな権力者が何を考えているか分からない、読みとる事も出来ない物を軍事力の根幹をなす兵士として採用する事は通常あり得ないと言える。 軍の機械化が幾ら進もうと、その根幹をなす兵士を完全に機械化、または人工化するのには大きなリスクが常に付き纏うという事である。 それと、人間は話し合いで物事が解決出来ない時は暴力を使い、それが国家間での争いになると人間が大勢死ぬ戦争でしか最終的に納得出来ないという事だ。
以上がその抜粋ですが、いずれ技術が発展していけば無人兵器という物は現実の物になるでしょうが、それが中心となる様な軍事編成はあり得ないという事です。 それに、こんな物が実現されたとしても相手国の政府を転覆させようと思えば、相手国に侵攻するしかない訳で、そうなったら結局大勢の血が流される事に代わりはありません。 決められたエリア内だけで戦争をするという国際ルールが出来れば良いのかもしれませんが、そうなったらもう正しくゲームであり、そんなゲームで納得出来る国など存在する訳もなく、結局テロの嵐になるのは自明の理と言えるでしょう。
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