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親記事 / ▼[ 7821 ]
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NO.7820
フロー重視社会(使い捨て社会)からストック重視社会へ |
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日本は,使い捨て奨励によってGDPを水膨れさせる,フロー偏重社会,資源浪費社会と言えるでしょう。 少子高齢化や環境的な制約が高まる中で,真の豊かさを手に入れるためには,ストックを重視する社会への変革が不可欠と考えます。 大事な視点は以下でしょう。 ・モノの長寿命化 ・物を売り逃げるビジネスから,サービスを売るビジネスへ ・今ある社会ストックの有効利用
以下に上記に関連した弊HPの記事を抜粋します。 http://www.geocities.jp/seikatushahoni/new041113.htm
「高齢化に備えたストックを増やせ」
今後,年金受給高齢者が急増し,低家賃の賃貸住宅への需要が急増することは間違いないでしょう。 わずかな年金支給額によって蓄えの無い高齢者の生活を保障するためには,低家賃の賃貸住宅と,それを核とした低料金の生活支援サービスが不可欠となるはずです。 民間の活力を生かし,低所得者向けの賃貸住宅を量,質ともに大幅に拡充する政策が望まれます。 低所得者向けの賃貸住宅は,公営である必要はないはずです。 公立住宅の管理運営を,民間企業が請け負う。 民間企業が,適切な公的支援を受け,建設から運営までトータルなサービスを提供する。 そのような官民競争が実現できれば,低所得者向けの賃貸住宅は,量,質ともに大幅に拡充されることが期待できます。 そのような住宅を建設する上で重要なキーワードは,「長寿命化」と「高齢者への自立支援」です。 民間企業が,建設から運営までトータルなサービスを長期的に提供するようになれば,必然的に「住宅の長寿命化」に対し強いインセンティブが働くようになるでしょう。 新築時には,多少割高でも100年もつ住宅を建設する。 古い住宅を創意工夫で改築し,永く大事に使い続ける。 これらは,環境面においても非常に望ましいことです。 バリアフリー等,高齢者への自立支援,在宅介護の効率向上を,住宅の設計時や改築時に十分考慮することも重要でしょう。 それも建設コストを押し上げることになるでしょうが,社会保障費節減のための有効な投資となるはずです。 急激な高齢化を目の前にしながら,雇用不足が深刻化している。 無駄な公共事業以外に,巨額の公的資金の投資先が無い。 社会保障制度の信頼が損なわれ,生活不安が増大している。 高齢者や子育て若年世帯と言った「生活弱者」向けの賃貸住宅の大量供給は,そのような社会問題を解決し,景気回復にも貢献する,極めて優先度の高い政策と言えるのではないでしょうか。 本格的な高齢化社会に備える十分な社会ストックを次世代に受け継ぐことこそ,人口ピラミッドの最後の恩恵を受ける我々の世代にとっての重要な責務と言えるのではないでしょうか。
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▲[ 7820 ] / ▼[ 7822 ]
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□投稿者/ ペリエ -(2004/12/05(Sun) 17:31:17)
□U R L/ |
> 日本は,使い捨て奨励によってGDPを水膨れさせる,フロー偏重社会,資源浪費社会と言えるでしょう。 > 少子高齢化や環境的な制約が高まる中で,真の豊かさを手に入れるためには,ストックを重視する社会への変革が不可欠と考えます。 > 大事な視点は以下でしょう。 > ・モノの長寿命化 > ・物を売り逃げるビジネスから,サービスを売るビジネスへ > ・今ある社会ストックの有効利用
本当に日本の街は使い捨てですね。
ヨーロッパでは200年以上古い町並みをずっと使ってます。 アメリカでも100年経ったマンションはざらにあります。
ヨーロッパの町並みは本当に小奇麗です。 それにくらべて日本の家並みはデザインと色使いがバラバラで、雑然としてます。 このままでは日本はいつまで経っても美しい町並みができそうにありません。
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▲[ 7821 ] / ▼[ 7823 ]
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NO.7822
日本には中古住宅の市場が存在しない |
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アメリカでは,購入する住宅の8割は中古住宅とのことですね。 多くの住宅が百年以上住みたいと思われる魅力を保持していなければ,活発な中古住宅の市場はありえないでしょう。
そのための条件は, ・高い耐久性 ・適正な維持管理,補修のしやすさ ・公正な品質評価制度の確立 ・陳腐化しないデザイン,年月を積み重ねるごとに増す素材の魅力
耐久性については,日米で大差は無いのかもしれませんが,決定的に違うのがその他の項目。 アメリカの住宅は,部材や部品の標準化が進んでおり修理も容易。 中古住宅の現場検査制度,品質評価制度が確立されている。 一方で,日本では600万戸以上過剰供給なのに,新築住宅が毎年百万戸以上増え続け,大量の中古住宅が廃棄され続けている。 多くの日本人は,そんな使い捨て住宅に,生涯の可処分所得の半分以上をつぎ込んでいる。
最近やっと50年住宅,100年住宅と言った売り文句が聞かれるようになりましたが,上記のような条件を全て満たした本物であってほしいものです。 その中で忘れがちなのが,ご指摘のような「美」と言う要素。 住宅の美は,年月を重なるごとに増していくものでなければならない。 住宅の美は,街並みの美と一体のもの。 日本の住宅のほとんどは,寿命より先に陳腐化が理由で廃棄され続けています。
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NO.7823
Re[3]: 日本には中古住宅の市場が存在しない |
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□投稿者/ こえだ -(2004/12/06(Mon) 16:38:34)
□U R L/ |
下記ご意見は全く同感ですが、ひとつ付け加えさせてください。
中古市場が存在しないのは、住宅だけでなく「車」もそうですよね。 アメリカに行かれたことがある人なら100%賛同していただけると思います。
日本にも中古車は一応存在していますが、 アメリカなんかで走っている中古車とは中古車の概念が違うと思います。
アメリカにはよくこれで走ってるな、と思われる車がたくさん走っていますし、 あの広い道路に大量に走る車の中から新車を見つけるのは非常に困難です。
日本には「車検制度」があって(詳しくは知りませんが) 一定年次を越した車には高い税率が掛けられるようなっていますよね。 従って、一定期間を経過した車は保持せずに新車を購入するようになるのでしょうか。
昔、学生時代に留学生を受け入れたとき、 「どうして日本にはきれいな車しか走っていないんだ?!」と 質問されたことがあります。 日本には車検制度があって、壊れている車は走れないことになっている と話したときえらく驚いていたことが印象的でした。 反対に初めてアメリカを訪れた時、 汚い車ばかりが走っていることに私は驚きましたが・・・
高い技術を保持する日本が車を長く維持する為の技術を 持っていないはずはありませんよね。 下記に書かれた事項については車にも当てはまる、と思うのですが 如何でしょうか・・
> アメリカでは,購入する住宅の8割は中古住宅とのことですね。 > 多くの住宅が百年以上住みたいと思われる魅力を保持していなければ,活発な中古住宅の市場はありえないでしょう。 > > そのための条件は, > ・高い耐久性 > ・適正な維持管理,補修のしやすさ > ・公正な品質評価制度の確立 > ・陳腐化しないデザイン,年月を積み重ねるごとに増す素材の魅力 > > 耐久性については,日米で大差は無いのかもしれませんが,決定的に違うのがその他の項目。 > アメリカの住宅は,部材や部品の標準化が進んでおり修理も容易。 > 中古住宅の現場検査制度,品質評価制度が確立されている。 > > 一方で,日本では600万戸以上過剰供給なのに,新築住宅が毎年百万戸以上増え続け,大量の中古住宅が廃棄され続けている。 > 多くの日本人は,そんな使い捨て住宅に,生涯の可処分所得の半分以上をつぎ込んでいる。 > > 最近やっと50年住宅,100年住宅と言った売り文句が聞かれるようになりましたが,上記のような条件を全て満たした本物であってほしいものです。 > その中で忘れがちなのが,ご指摘のような「美」と言う要素。 > 住宅の美は,年月を重なるごとに増していくものでなければならない。 > 住宅の美は,街並みの美と一体のもの。 > 日本の住宅のほとんどは,寿命より先に陳腐化が理由で廃棄され続けています。 >
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▲[ 7823 ] / ▼[ 7825 ]
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NO.7824
使い捨てで,豊かさ無き所得が水脹れ |
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全くおっしゃるとおりだと思います。 20年や30年前に生産された日本車の中古車が,どこかの国で元気に走っていると言うような話もよく聞きます。 日本人が使い捨てるのは,家や車に限りません。 ヨーロッパでは,家具なんかも,祖父母から受け継いだものを誇りを持って大事に使っているとのことですね。
日本人はなぜ使い捨てるのでしょう。 国民性。 急激な欧米化。 色々な要因が考えられますが,やはり政策的(税制的)な誘導がかなり効いているのではないでしょうか。
使い捨てを奨励し,フローを増やし,GDPを増やすことが,税増収には手っ取り早い。 日本の税率は,先進各国中ではかなり低めですが,そのようにして人為的に水脹れさせた所得に税率をかけているのですから,財政赤字以外にも,日本人は実はかなり高い税金を払っているのかもしれません。
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NO.7825
Re[5]: 使い捨てで,豊かさ無き所得が水脹れ |
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□投稿者/ こえだ -(2004/12/07(Tue) 14:52:34)
□U R L/ |
> 20年や30年前に生産された日本車の中古車が, > どこかの国で元気に走っていると言うような話もよく聞きます。
発展途上国でよく見ました。 塗装がそのままだから○○観光とか○○産業とか 書いた車が平気で走ってる。 妙に懐かしい気分になったりして・・・(笑)
> 日本人はなぜ使い捨てるのでしょう。
どうしてなんだ、と私もよく思います。 新聞の投書欄でもたまに目にしますね 修理しようとしたのに新品を買った方がはるかに安い、そんなのおかしい、という意見。 私も過日2000年に買ったノートパソコンにコーヒーをこぼしてしまい 修理に出したら11万円と言われて、新品のパソコンを泣く泣く買いました。
> 色々な要因が考えられますが,やはり政策的(税制的)な誘導がかなり効いているのではないでしょうか。 > 使い捨てを奨励し,フローを増やし,GDPを増やすことが,税増収には手っ取り早い。
これでしょうね。 国民性は私的にはあまり関係ない気もします。 そうならざるを得ない社会システムになっているのではないでしょうか。
> 日本の税率は,先進各国中ではかなり低めですが, >そのようにして人為的に水脹れさせた所得に税率をかけているのですから, >財政赤字以外にも,日本人は実はかなり高い税金を払っているのかもしれません。
そう思います。 消費税を上げる議論の時に必ず持ち出される諸外国との比較。 これはナンセンスだと思っています。 私たちは常に新しいモノを購買させられるシステムの中に生きている。 その上、税金まで諸外国並にあげようとするのはおかしい。 まずは、この制度を変える事が優先且つ喫緊だ、と思うのですが、 どこをどう変えたらいいのかよくわかりません。 規制緩和の一環として車検制度の廃止も検討課題に入っていたような気がしますが、 廃止には功罪あるのでしょう。 ご教授願えないでしょうか・・ |
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▲[ 7825 ] / 返信無し
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三菱自動車が,10年10万キロまでに事故以外で故障した場合に,部品の修理や交換を無料にするサービスをはじめるとのことです。
あのような不祥事がなければ,このようなサービスを行うことなどなかったのでしょうが・・
更に以下のような進化を期待します。 @定期点検を無料にする。 A10年後の有償補修後に,更に10年保証を追加する。 B10年後の買い取り保証をする。
@について 普段の定期点検は,安全性の確保だけではなく,修理費の低減にも効果があるはずです。
Aについて 自動車耐久性調査で常に上位を占める日本車は,決して10年10万キロで使い捨てるような代物ではありません。 海外では,走行距離20万キロを超える日本車が元気に走り続けています。
Bについて 買い取った車は,安価なリースサービスや,送迎サービスに有効利用することが考えられます。
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▲[ 7825 ] / 返信無し
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NO.7826
「モノを売り逃げるビジネス」から「サービスを売るビジネス」へ |
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こえださん。 丁寧なレスを頂きありがとうございます。 ご教授と言われると恐縮するのですが,私なりの精一杯のお答えをさせていただきたいと思います。
注意深く見れば,日本でも「使い捨て」から脱皮する動きが散見されつつあります。
長期保証のアフターサービスを独自に行っている家電量販店が増えてきていますね。 そんな店から,多くの人が買うようになれば「使い捨て」はかなり減るでしょう。 このような店では,各メーカーや機種毎の故障確率や修理費用のデーターが蓄積されていくでしょうから,そのうち修理費の高くつくメーカーや機種は,取り扱わなくなったり,高い値をつけたりするようになるでしょう。 そうならないようにメーカーは努力するしかなくなります。
上記のような動きは,「モノを売り逃げるビジネス」から「サービスを売るビジネス」への転換の第一歩と解釈できるでしょう。
私は,使い捨て社会からの脱皮は,以下により十分可能であると考えます。 ・環境税の導入 ・適切な規制強化 ・サービスを売るビジネスモデルの構築
「サービスを売るビジネスモデル」については,弊記事『環境を守り,豊かさと地域雇用を堅持する「サービスを売るビジネスモデル」−パソコン1台製造で,資源消費1.8トン−』(以下URL)を参照願います。 http://www.geocities.jp/seikatushahoni/new040315.htm
上記は,家電製品を中心にお話しましたが,車については安全面の,住宅については時間スケールの長さの問題が残りますね。 現在の車検は非常に形式的なもので,とても車の安全性を保障するようなレベルのものではありませんね。 車の使い捨てを止めるためには,むしろ車検の実効化(安全保障と環境基準を満たさない部品の排除)が必要だと考えます。 規制改革が叫ばれていますが,世の中の規制は緩和すべきもの以上に,高度化・実効化すべきものが沢山あります。
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